ペーパーレス洞窟測量 vol.1 ”道具の準備”
Asian Transkarst 2015にて開催された、Mateusz Golicz氏によるPaperless Cave Surveying Workshopの内容をまとめて、追記したものです。
通常の洞窟測量の経験がある方を対象にした内容です。基本的な測量の概念については説明していません。
ペーパーレス洞窟測量、何がすごいか?
まず、一台の測量計で、「距離」「傾斜」「方位」すべてを計測できます!
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上から、方位、傾斜、距離が表示されます。左上にBluetoothマークが。 |
そしてそのデータをBluetoothでモバイルデバイスに送信し、デバイス上のソフトがその場で側線を描いてくれます。
スケッチャーは、今までより楽にスケッチを進めることができます。
測量後に帰宅したら、モバイルデバイスからDXFやSVG(グラフィックデータ)とTXT(テキストデータ)をエクスポートできるので、そのままイラレで清書したり、お好みの測量ソフトで3Dデータにしたりと、データをすぐに活用できるのです。
Asian Transkarst2015での洞窟測量講習の様子 |
ペーパーレス洞窟測量のシステムは、スイス人のBeat Heeb氏が開発・販売しているものです。以下のサイトに様々な情報があります。
Paperless Cave Survey
※英語が読める方は、こちらを見ていただくほうが早いかも。
必要なもの
- DistoX2
- Windowsモバイルデバイス あるいは アンドロイドデバイス(要 専用ソフトインストール)
それぞれの機器について
DistoX2
通常に販売されているハンドヘルドの測量計(Disto X310など)を改造して、方位を計測する機能を追加する基盤を追加したもの。
★ライカ Disto X310 は、楽天やAmazonそのほか国内のネットショップで購入できます。80mまで計測可能なものと、120mまで計測できるものがあるようですが、80mまでのもので十分かと思います。★
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Beat Heeb氏のサイトでDistoX2に改造するための基盤が販売されています。送料込みで、180ユーロでした。
まずは基盤を購入しましょう。
そのほかに非磁性リチウム電池を購入し、組み立てます。
購入したDistoX2基盤セット |
非磁性リチウム電池は、以下のショップで購入できます。
http://www.powerstream.com/non-magnetic-lipo.htm
私は、5つまとめ買いしたので、作ってみたい方に一つ4800円で譲ります。電池にしては高いですが、理由があります。
*なぜ高い?電池本体は20ドル@で、ショップはアメリカにあります。
現在、リチウム電池は普通郵便では海外に送れません。そのため、海外速達を使用する必要があり、送料だけで81.35ドルかかってしまいます。1つ買っても、100ドル超えてしまうのです。
今回、5つ購入したので、181.35ドルでした。
他に安価に入手する方法があれば、教えてください~。
組み立て方は、ウェブサイトで説明されています。不器用な人には難しいかも。
Disto X310、基盤、非磁性リチウム電池のほかに、はんだごて、はんだ、T6レンチ(星形)、マイナスドライバー、ペンチ、カッターが必要です。
私ははんだ付けに不慣れですが、何とかうまく改造できました。
組み立て動画(英語)
https://www.youtube.com/watch?v=grtXelTpcCY
組み立てマニュアル(英語)
http://paperless.bheeb.ch/download/DistoX2_AssemblyManual.pdf
Windowsモバイルデバイス あるいは アンドロイドデバイス
(要 専用ソフトインストール)
・アンドロイド スマートフォン
Bluetooth内蔵、できれば防水。
・Windowsモバイルデバイス
例えば、HP iPAD 202 のような機器。今では生産していないので、中古品を購入する。
Bluetooth内蔵、できれば防水のものを選ぶ。
インストールする専用ソフトは、
*PocketTopo ★★★ 少し難しいが、使い込まれた良いソフト。Mateusz氏おすすめ。
*Qave ★★☆ Google Playにて入手可能。簡単だけど、機能に制限がある。
*Abris ??? Google Playにて入手可能。
*TopoDroid ??? Google Playにて入手可能。
ここまでで、ようやく道具の準備が終了。
つぎはいよいよ、測量の実施です!たのしみ~。