広州 洞窟探検記 2018/12 ③ 最終回
近野由利子
12/2(日)
広州、陽山での洞窟探検 2日目。
この日の予定は探検ではなくて、すでに知られている洞窟でのファンケイビングだ。
さかのぼると、2018年の始めにPangから連絡があり、見たことのない生成物を洞窟の中で発見して驚いたと言って、写真を送ってきた。
結局、それは浮遊カルサイトという生成物だったのだけど、少量なら私も見たことがあったけど、Pangが言うには、ものすごい大量にあるのを発見したというのだ。
さすが中国~。
浮遊カルサイトがある洞窟は、現地のケイバーに人気があり、Pangはその洞窟へ行くたびに浮遊カルサイトが破壊されていることを残念に思っている。
1~2年後には跡形も無くなるはず、その前に一度見に来てほしいというのがPangの希望だった。
さて、どんだけ大量の浮遊カルサイトか、楽しみだけど...、
まずは恒例の朝ごはん!
今日の朝ごはんは、かの有名な飲茶だ~!
飲茶と言えば、香港が有名だけど、広州も本場らしい。
今回の探検は、ベースが町にあるので、朝晩の食事が豪華すぎる。
昨夜の火鍋も食べすぎたし、お腹すいてないんだけど...。
と、思いながらホテルの外の駐車場で中国チームを待っていたら、香港チームが使っているレンタカーのライトが点灯したままだということに気づいた。
どうやら、昨晩、寝ぼけ眼でホテルにたどり着いて、ライトを消すのを忘れたまま部屋に行ってしまったらしい。
気が付いた香港チームが、慌てて車のカギを持ってきて、エンジンをかけようとしたけど、時すでに遅し。バッテリーが上がって、エンジンがかからなくなっていた。
みんなアタフタしている中、Pangはすごく冷静で、重慶チームと相談して、車の修理屋を手配していた。
日本チームは、何もできず、見ているだけなので、先に飲茶レストランに行ってなさい、と送り出され、香港チームのマンディとケーシーに連れられてホテルを出発した。
飲茶レストランはすぐ近くなので、のんびりと歩いて向かった。
連れて来られた飲茶レストランは、街の商店街にあるホテルの2階にあり、すでに地元のお客さんで一杯だった。
カートにセイロをたくさん乗せたおばさんが、各テーブルを回ってきて、注文を取っている。
飲茶の本場である香港チームの二人に教えてもらいつつ楽しめるなんてラッキー!
■飲茶の手順
1.席につく
2.お茶と、ごはんなどメインの料理を注文する(注文票に自分で書く)
3.お茶で全員の皿と箸を洗う
4.カートの周りに群がって、おばちゃんに食べたい点心をせがむ
5.テーブルが皿であふれるので、必死で食べる
6. 4,5を繰り返す
必死で点心を食べ続け、もう限界と思ったころ、車のトラブル対処が終わって、Pangたちがやってきた。
■飲茶の手順
1.席につく
2.お茶と、ごはんなどメインの料理を注文する(注文票に自分で書く)
3.お茶で全員の皿と箸を洗う
4.カートの周りに群がって、おばちゃんに食べたい点心をせがむ
5.テーブルが皿であふれるので、必死で食べる
6. 4,5を繰り返す
カートの点心を選ぶときはワクワクする! |
ワクワクしすぎた結果、朝食のテーブルとは思えないボリュームに.... |
必死で点心を食べ続け、もう限界と思ったころ、車のトラブル対処が終わって、Pangたちがやってきた。
シャオツォンは、昨晩食べすぎたから、朝ご飯はいらないと言って来なかった。んー、正解。
ようやく店を出たのは10時、さらに、近くの市場に寄り道して、昼に飲むというお茶用の茶葉を買う。
ホテルの駐車場に戻ってくると、別のお客さんが車で接触事故を起こしているのに遭遇した!
その人は、駐車しようと切り返ししてるうちに、後ろに停まっている車に、バックで猛突撃したのだ。
そして、知らん顔で去っていった。
ザ・中国な光景にびっくり。
一緒に見ていたPangも、「なにあれ!」と驚いていた。
気づいたらすっかりノンビリして、時間が過ぎており、洞窟のある村に着いたのは昼前の11時だった。
私は、今夜のフライトで帰るのだけど、果たして間に合うのか?
Pangも焦りだしたのか、話しかけても、心なしか答えが素っ気なくなってきた。
時間が圧しているせいもあるけど、実はPangは、昨晩の火鍋のとき薄着だったせいで、風邪をひいて、体調が悪かったらしい。
しかし、日本チームをもてなすというミッションは完全に遂行する意気込みだった。
しかし、日本チームをもてなすというミッションは完全に遂行する意気込みだった。
目的の洞窟に到着したら、まずはドローンで記念撮影。
洞内では、気のすむまで浮遊カルサイトを見学。
その後、地底湖で記念撮影会。
出洞の前には、香港式ロイヤルミルクティーでお茶会。
予定のメニューはすべてこなし、どれもスキップされなかった。
すごい。
Pangは体調悪いのに、そんなことおくびにも出さないのだ。
なんでなの?!
洞内では、気のすむまで浮遊カルサイトを見学。
その後、地底湖で記念撮影会。
出洞の前には、香港式ロイヤルミルクティーでお茶会。
予定のメニューはすべてこなし、どれもスキップされなかった。
すごい。
Pangは体調悪いのに、そんなことおくびにも出さないのだ。
なんでなの?!
中国に行くたびに、あふれるおもてなしを受けるけど、十分にお返しできず、消化不良な気持ちになる。
全てのイベントが終わって、出洞したのは15:40。
ここでPangは突然、焦りを露わにして、「早く!もう行かなきゃ!」と私たちを急かし、30分後には空港に向かって車を走らせ始めていた。
日本チームの車だけ先に出発したので、シャオツォンや香港チームに挨拶もできぬまま、そのまま高速道路へ...。
帰りの車の中で、ようやくPangは「実は昨晩から具合が悪い」と白状し、途中のサービスエリアでマンディと運転を交代した。
街に近づいたところで、マンディが少し道に迷い、空港近くのホテルに20時に到着。
全てのイベントが終わって、出洞したのは15:40。
ここでPangは突然、焦りを露わにして、「早く!もう行かなきゃ!」と私たちを急かし、30分後には空港に向かって車を走らせ始めていた。
日本チームの車だけ先に出発したので、シャオツォンや香港チームに挨拶もできぬまま、そのまま高速道路へ...。
帰りの車の中で、ようやくPangは「実は昨晩から具合が悪い」と白状し、途中のサービスエリアでマンディと運転を交代した。
街に近づいたところで、マンディが少し道に迷い、空港近くのホテルに20時に到着。
日本チームのオカザとムギマは、明日のフライトなので、ホテル泊。
私とヨシモトさんは約4時間後には出国だ。
Pangたちは、挨拶もそこそこに、すぐにレンタカーを返しに行った。
Pangたちも21時すぎの電車を逃すと、香港に帰れないのだ。
日本だったら間に合うと思うけど、中国では何もかもに時間がかかるから、焦るのも無理はない。
Pangたちも21時すぎの電車を逃すと、香港に帰れないのだ。
日本だったら間に合うと思うけど、中国では何もかもに時間がかかるから、焦るのも無理はない。
そういえば、レンタカーを借りるときも、何だかすごく時間がかかったから、返すのも大変だろうな。
けっきょくPangたちは終電に乗れず、深夜バスで香港に帰ったらしい。
風邪なのに!
では、中国チーム渾身のおもてなしメニューをご紹介
★ドローンで記念撮影
ケーシーがマイ・ドローンを操作 |
![]() |
じゃーん、これが鈣膜(Gaimo)洞窟だ!さすが中国!でかいわー! |
★洞内の浮遊カルサイト
浮遊カルサイト(cave raft, calcite raft)は、水中の炭酸カルシウムが水面で結晶してできる薄い氷のような生成物。
水面で結晶するには、水面が長~い期間静止した状態にあることが条件だと思うけど、なかなかその条件は難しいと思われ、私は今まで小さな欠片しか見たことがない。
水に浮いた状態のものよりも、水がなくなって、乾燥した浮遊カルサイトが地面に薄い膜のように散乱している状態を見ることが多い。
しかし、この鈣膜(Gaimo)洞窟の浮遊カルサイトはすごい。
入洞して、30分程度奥に入ると、通路一面に浮遊カルサイトが敷き詰められている。
まさに足の踏み場もないので、無駄に破壊しないように、前を歩いた人の後ろを注意深くついて歩かなければいけない。
かつては、水が溜まっていた通路なのだろうけど、今は完全に乾燥していて、浮遊カルサイトとは言いながら、どれも浮遊していない。
浮遊カルサイトが敷き詰められた通路を緊張しながら歩く |
細かい欠片もあるけど、大きなものはA4コピー用紙くらいのサイズがある。
Pangたちが初めて入ったときは、もっとたくさん大きな結晶があったそうだ。
この白いのが浮遊カルサイト。水がなくなって浮遊していない。 |
さらに奥へ進むと、まだ水のある地底湖に到達した。
この先は、通路が水で満たされていたので、ここで引き返した。
奥へ続くメインの水流には浮遊カルサイトはなかったけれど、端の方の水たまりのような場所では水面を氷のように浮遊カルサイトが覆っていた。
中心の氷っぽいのは浮遊している。右の粉々のやつは浮遊してない。 |
浮遊している浮遊カルサイト |
★地底湖での記念撮影
Pangたちによると、この日はいつもより水が多かったそうだ。
透明な水の地底湖はとてもきれいだった。
以上、この日のハイライトまとめでした。
深夜、私とヨシモトさんは無事に中国から出国し、朝には日本に到着した。
深夜、私とヨシモトさんは無事に中国から出国し、朝には日本に到着した。
7時、セントレアに降り立った私は、泥まみれのケイビングスーツと竪穴装備を詰め込んだ80kgバックパックを背負ったまま、地下鉄に乗り換えて会社へ。
会社に着くと、バックパックをオフィスの倉庫に隠してから席につき、なに食わぬ顔でパソコンを起動する。
遠征明けのオフィスワークは、いつもより幸せに感じる。
オフィスはトイレもデスクもキレイだし、コンビニ弁当はおいしい。
パソコンの前に座って安静に仕事ができるのもありがたいわー。
密かにウキウキした気持ちで、月曜日の仕事をスタートさせた。
会社に着くと、バックパックをオフィスの倉庫に隠してから席につき、なに食わぬ顔でパソコンを起動する。
遠征明けのオフィスワークは、いつもより幸せに感じる。
オフィスはトイレもデスクもキレイだし、コンビニ弁当はおいしい。
パソコンの前に座って安静に仕事ができるのもありがたいわー。
密かにウキウキした気持ちで、月曜日の仕事をスタートさせた。
今回、探検した洞窟は少し地味だったけど、いつもどおり、中国の旅はもりだくさんだった。
私としては、JETのメンバーたちと一緒に行けたことが満足の中国遠征だった。
私としては、JETのメンバーたちと一緒に行けたことが満足の中国遠征だった。
他のみんなにとっても、この遠征が今後のケイビング活動に良い影響をもたらすことになるといいな、と思う。
(おしまい)
(おしまい)