行先の方向が修正されたのは良かったけど、衛星地図に表示されていた北に延びる道は、中国資本のニッケル鉱山会社の持ち物で通ることはできないようだった。
西側にも材木か何かを採る会社の道の入り口があり、ウェダリゾートの四駆車では道が悪くて行けないから、そこから歩いて行くとのこと。
目的地までは直線距離で9キロ。丸一日歩き続けて夜までに着くかどうか。
地元のガイドと一緒に会社の道の入り口に降ろされて、ジュマを待っている間に、会社の始業時間になったらしく、たくさん人が来て、重機を動かしたりし始めた。
暇なので、地元ガイドに地図を見せながら、ここにでっかい洞窟があるんだと身振りで解説すると、急に、おー!俺はそこの場所知ってるぜ、みたいな反応である(ていうか、今までわかってなかったんだ)。しかし、この場所からは、かなり遠いところだと、ガイドたちがざわざわしている。私たちは、今更なにを言うてんねん、みたいな気分になり、なりゆきを静観していると、ずいぶん時間が経ってからようやく準備を終えたらしいジュマがやって来て、私たちの荷物が多過ぎるよ、と言う。
確かに、吉田さんのバッグは200mのロープでいっぱいで、撮影機材が別バッグになったので、5個バッグがある。これ以上の人数は呼べないというので、じゃあということで、荷物を一つバラして私たちで分担することにした。
会社の人が、2キロくらいは車で送ってくれたが、雨で道がぬかるんでいて、これより先は無理だという。少ししか距離は稼げなかったが仕方ない。
ところが、歩き始めてしばらくすると、ジュマが、急坂を前にして、荷物が重い、目的地が遠い、行きたくない、と言い始めた。彼は、前回、私たちの荷物を持ってジャングルを歩いてくれたので、ちょっとびっくりした。私たちとしては、すでにお金も半分払っているし、彼の言い分は全然納得できないし、今更戻りたくはない。他の人は別にそんなに抵抗していなかったので、無理やり進むことにした。
ちょっと歩いては休み、のんびりな進行だった。こっちとしては、夕方までに9キロの行程を歩かなけりゃならんと思っているので焦り気味であった。そうはいっても、荷物が来なければ意味がない。
止まって休んでいると蚊が襲ってくる。毎回のことだけれども、アガタ氏はドライメッシュの半そで姿なので、すでにけっこう刺されていた。
午後になって、木で組んだ高床式の足場がある山の中の休憩所みたいなところに止まった。昼ごはんを食べたところで、この先には泊まれる場所がないので、今日はこれ以上は進まないという。拍子抜けしたが、彼らが水を確保できて泊まれる場所がないなら仕方がない。雨も降ってきそうな空模様だった。
その時は、まさかここで連泊するとはまったく思っていなかった。(つづく)
洞窟探検の活動報告やケイビング関連の役立つ情報をメモ的にアップしています。 奈良、岐阜(郡上)、岡山などでの洞窟探検測量を実施中! 参加希望、お問合せなど、コンタクト歓迎中!
2019年5月13日月曜日
2019年5月12日日曜日
2019年GWインドネシア遠征(3)
インドネシアの通貨1 ルピア は約0.0077 円。最大額面の紙幣は100,000ルピア札=700~800円なので、数万円両替したら数センチの厚さの札束が返ってくる。
ガイドに支払う金も、それなりの値段がするので、金額のゼロが多すぎて訳がわからなくなる。
ジュマが悩んだ挙句最初に提示してきた額は、ジュマの取り分・警官&軍人の取り分を合わせると私達が思っていたよりも多かったので、こちらはこれしか出せませんという線で、警官・軍人と交渉してもらって、半分の額を前払いし、証紙を貼った念書まで作って契約成立した(とその時は思った。)。
ちなみにサゲアの集落にはいくつか商店があって、日用品やお菓子なんかが売られている(酒はない)。ここに売っている水に溶かして飲むオレンジジュースの粉が、日本に帰って飲んでも安っぽい味しかしないのに、ジャングルで飲むとやたらと美味しいので、必ず買うことにしている。ついでに、その横にあったレモンぽい色のジュース粉も購入し、コテージで開封したらドリアンだった。ドリアンの味は嫌いじゃないが、不意打ちにあの匂いを嗅がされるとさすがにびびる。
さて、翌日は早朝から車に乗って、ワレという集落で人を拾ってから、山道を車で上がっていった。その辺りから、あれ?なんか場所がちょっと違わないか?と思っていたけれど、自信がなくて一人車中でGPSをにらんでいた。
エスぺサルという村で、もう一人来るからと車が止まった時に、地図とGPSを見せながら現在地と行き先を確認すると、どう考えてもここからは私たちが行きたいポイントには遠すぎて歩いていけないし、ジュマは私たちが考えているのと逆の方向を指さすし、おかしい!となる。
結論から言えば、OpenStreetMapに載っていた地名の位置がずれていたことが原因だった。ジュマたち現地の人は、ほとんど地図を読めないので、自分たちの知っている地名を手掛かりに私たちを案内してくれようとしていた。だから、私たちが行きたいと指さす地図の上にイエケという地名が載ってれば、地図とは関係なく、自分が知っているイエケに連れて行こうとするのは当たり前と言えば当たり前である。
ところが、ここじゃないんだと誤解を修正するのが大変だった。さあここから歩くぞ、みたいな彼らを押しとどめて、違うんだ~!という主張がようやく通り、山を下り、自分たちが行きたいところまで戻ってもらうことになった。
ようやく行きたいだいたいの方向をわかってもらったところで、ジュマはここはイエケじゃなくてフリツだよと不満そうに言い、ここに行くなら別の案内人が必要だという。
もう昼になっていたので、今日は出発を諦めて、ボキムルルに遊びに行くことにした。ボキムルルというのは、サゲアの上流にある流出型の(地下河川の出口になっている)観光洞で、第一回目の時にえらい遠回りをして(車で来られるのにも関わらず)連れてこられた思い出の洞窟でもある。
今回はアガタ氏が取り扱っているNortik社のパックラフトの探検風写真を撮るのも目的の一つだったので、チカノさんが持ってきたライトウェイトディンギー(LWD)と二艇を持ってボキムルルに行くことになった。洞窟の入口までは、ジュマがボートで家の裏から川をさかのぼって送ってくれるという。
入口の手前でボートのプロペラが折れてしまって、じゃあそこからパックラフトで行こうということになる。ところどころ流れがあるのだけど、LWDの方が構造的に進みが悪いので、一本しかないオールはチカノ・吉田が使って、私が乗せてもらうアガタ氏のラフトは、パドルグローブというのをアガタ氏がはめて漕ぐ。
さすがのLWDでもオールがあれば同じ位のスピードかと、負けず嫌いのアガタさんがまあまあのスピードでパドルグローブで水を掻いて、ようやく流れのゆるいところに来た所で後ろを振り返ったら、チカノさん達が岩陰に隠れたまま、全然追いついてこない。
あれ~遅いなあと思ったら、吉田さんが泳いでLWDを押してこっちにやってくる。LWDに穴が開いていたらしい。昨晩コテージで、チカノさんはLWDを膨らませてベッドにして寝ていたのだけど、その時にも空気が抜けている気がしたらしい。呑気である。
結局、アガタさんが一人ずつ洞口の船着場に送りとどけた。
船着場にはSUPに乗った地元の村の若者たちが来ていて、遊び場になっているようだった。
つらら石やフローストーンがある立派なホールを散歩したり、川の上流でサンプになっているところまで確認に行ったり、吉田さんが洞口とラフトの写真を撮ったりして、洞外に戻るとジュマのボートは既に修理されており、その日は予定外にのんびりとコテージで二晩目を過ごすことなった。((4)につづく)
ガイドに支払う金も、それなりの値段がするので、金額のゼロが多すぎて訳がわからなくなる。
ジュマが悩んだ挙句最初に提示してきた額は、ジュマの取り分・警官&軍人の取り分を合わせると私達が思っていたよりも多かったので、こちらはこれしか出せませんという線で、警官・軍人と交渉してもらって、半分の額を前払いし、証紙を貼った念書まで作って契約成立した(とその時は思った。)。
リゾートのドライバーに助けてもらいながら交渉 |
ちなみにサゲアの集落にはいくつか商店があって、日用品やお菓子なんかが売られている(酒はない)。ここに売っている水に溶かして飲むオレンジジュースの粉が、日本に帰って飲んでも安っぽい味しかしないのに、ジャングルで飲むとやたらと美味しいので、必ず買うことにしている。ついでに、その横にあったレモンぽい色のジュース粉も購入し、コテージで開封したらドリアンだった。ドリアンの味は嫌いじゃないが、不意打ちにあの匂いを嗅がされるとさすがにびびる。
さて、翌日は早朝から車に乗って、ワレという集落で人を拾ってから、山道を車で上がっていった。その辺りから、あれ?なんか場所がちょっと違わないか?と思っていたけれど、自信がなくて一人車中でGPSをにらんでいた。
エスぺサルという村で、もう一人来るからと車が止まった時に、地図とGPSを見せながら現在地と行き先を確認すると、どう考えてもここからは私たちが行きたいポイントには遠すぎて歩いていけないし、ジュマは私たちが考えているのと逆の方向を指さすし、おかしい!となる。
結論から言えば、OpenStreetMapに載っていた地名の位置がずれていたことが原因だった。ジュマたち現地の人は、ほとんど地図を読めないので、自分たちの知っている地名を手掛かりに私たちを案内してくれようとしていた。だから、私たちが行きたいと指さす地図の上にイエケという地名が載ってれば、地図とは関係なく、自分が知っているイエケに連れて行こうとするのは当たり前と言えば当たり前である。
ところが、ここじゃないんだと誤解を修正するのが大変だった。さあここから歩くぞ、みたいな彼らを押しとどめて、違うんだ~!という主張がようやく通り、山を下り、自分たちが行きたいところまで戻ってもらうことになった。
ようやく行きたいだいたいの方向をわかってもらったところで、ジュマはここはイエケじゃなくてフリツだよと不満そうに言い、ここに行くなら別の案内人が必要だという。
もう昼になっていたので、今日は出発を諦めて、ボキムルルに遊びに行くことにした。ボキムルルというのは、サゲアの上流にある流出型の(地下河川の出口になっている)観光洞で、第一回目の時にえらい遠回りをして(車で来られるのにも関わらず)連れてこられた思い出の洞窟でもある。
今回はアガタ氏が取り扱っているNortik社のパックラフトの探検風写真を撮るのも目的の一つだったので、チカノさんが持ってきたライトウェイトディンギー(LWD)と二艇を持ってボキムルルに行くことになった。洞窟の入口までは、ジュマがボートで家の裏から川をさかのぼって送ってくれるという。
入口の手前でボートのプロペラが折れてしまって、じゃあそこからパックラフトで行こうということになる。ところどころ流れがあるのだけど、LWDの方が構造的に進みが悪いので、一本しかないオールはチカノ・吉田が使って、私が乗せてもらうアガタ氏のラフトは、パドルグローブというのをアガタ氏がはめて漕ぐ。
パドルグローブ。漕いでもらっているのに悪いけど、ほぼカッパ。 |
さすがのLWDでもオールがあれば同じ位のスピードかと、負けず嫌いのアガタさんがまあまあのスピードでパドルグローブで水を掻いて、ようやく流れのゆるいところに来た所で後ろを振り返ったら、チカノさん達が岩陰に隠れたまま、全然追いついてこない。
あれ~遅いなあと思ったら、吉田さんが泳いでLWDを押してこっちにやってくる。LWDに穴が開いていたらしい。昨晩コテージで、チカノさんはLWDを膨らませてベッドにして寝ていたのだけど、その時にも空気が抜けている気がしたらしい。呑気である。
結局、アガタさんが一人ずつ洞口の船着場に送りとどけた。
船着場にはSUPに乗った地元の村の若者たちが来ていて、遊び場になっているようだった。
つらら石やフローストーンがある立派なホールを散歩したり、川の上流でサンプになっているところまで確認に行ったり、吉田さんが洞口とラフトの写真を撮ったりして、洞外に戻るとジュマのボートは既に修理されており、その日は予定外にのんびりとコテージで二晩目を過ごすことなった。((4)につづく)
2019年5月11日土曜日
2019年GWインドネシア遠征(2)
テルナテの空港から港に向かう30分ほどの道すがら、ドライバーが話してくれたところによると、テルナテは昔から丁子の産地として有名で、中国とは長い交流があるので、中華系の人は結構住んでいるらしい。日本人は、戦時中に日本軍がハルマヘラを含むこの辺りの島に駐留していたので、歴史として知っている程度だそう。
テルナテ島は、隣のハルマヘラ島より圧倒的に小さな火山島なんだけど、オランダが植民地化するまでは、スラウェシ島やパプワに及ぶ広い範囲に影響力のあったテルナテ王国の中心地だった。インドネシアの一部となった今では政治的な力はないけれど、13世紀から現在まで続く王室があり、4年前に前の王様が亡くなって、今は次の王様を兄弟の中から選挙で選んでいるところだという。
空港を出て街を抜け港に到着すると、荷物運びのポーターが近づいてくる。ドライバーが何人か雇って、私たちの重いバッグは手押し車で桟橋へ運ばれ、フェリーに押し込められた。
小さなフェリーは、後部に座ったお兄さんが手で紐を引いて始動するタイプのエンジンを4つ積んでいる。30分くらいして、テルナテが小さくなり、船の揺れにうんざりした頃にハルマヘラ島の港ソフィフィに到着する。ここでもちゃんとウェダリゾートの迎えが来ていて、車に乗り込み、商店で調理用のガソリンと、虫よけクリーム、ラーメンなんかを買い込んで、サゲアに向かって約4時間の長いドライブのスタート。
もう日本を出発して24時間が経つというのに。相変わらず遠い。
ペットボトルの中の青い液体がガソリン。 |
山道と集落の繰り返しを眺めている内にうとうとしかけていると、ギタ ラジャという村の食堂に車が止まった。コーヒーブレイクとのこと。店に入って子供がテレビゲームで遊んでいるのを横目に、バルコニーに出ると、猫がたくさん寝ていて、みんなぴゃーっと逃げて行った。
その後戻ってくるが、人間に触られない間合いを保つ猫たち |
海に張り出したバルコニーからはテルナテの南に連なる火山島が見渡せる。下を見ると浅瀬にウミヘビやら、去年アガタ氏がビーチで釣り上げた「悪い顔のサンマみたいな魚」が泳いでいた。サンマのように細長い身でクチバシが尖っている。ドライバーがあれは「Fish of wake up」だと言う。鋭いクチバシで尻を刺してくるらしい。恐。
去年釣り上げたヤツ。おいしくいただきました。 |
再び車内でうとうとしながらも、時々道路の舗装がすごく荒れていて車が大バウンドするので、その度に寄りかかった窓に頭を打って目が覚めるというのを繰り返していた。特にウェダより先、サゲアの手前は坂の勾配が急な上に道が悪いので、サゲアの湖が見える頃には否応なく目を覚ましていた。隣を見たらチカノさんも同じようにガンガン窓に頭をぶつけながら、ものともせず寝ている。
サゲアの集落の西のビーチに面して、数年前までウェダリゾートが使っていたコテージの残骸があるので、そこをベースキャンプにさせてもらっている。ほとんどのコテージはもう自然に還っているけれど、一軒だけかろうじて使えるヤツがあるのだ。といっても年々雨漏りの穴も多くなっているし、壁に落書きも加わった上に、はがれていて、そろそろやばそうな物件ではある。
ご飯とテンペや野菜やチキンのおかず |
今回我々が洞窟探しに行きたいと思っていた場所は、前回までと違って危険なエリアなので、ポリスが一緒に付いて来るという話だった。荷物を整理していると、警官と軍人が一人ずつと、サゲアに住むガイドのジュマがやってきて、ガイド料の交渉が始まった。
日本で印刷してきた衛星地図を見せながら、この道を使ってここに行きたいという話をするのだけど…実はこれが第一の落とし穴だったのである~!((3)につづく)
2019年GWインドネシア遠征(1)
2019年4月26日から5月6日まで、通算3回目となるインドネシアの東端・ハルマヘラ島の洞窟探検に行ってきました。
リーマンのおかざは1か月間の海外遠征に行ったりできません。せいぜい10日間の休みが限度です。それでも2017年10月、2018年8月と過去2回、ハルマヘラ島での探検をやってきました。
全3回の成果についてはその内どこかで発表する予定ですが、ここでは、そんな報告には書かれないどうでもいいエピソードを書いておこうと思います。
思い起こせば第一回目にはガイドに引き回されたあげく観光洞に連れていかれたり、第二回目には洞内で水責めにあいかけたり、いつもネタに事欠かない遠征ながら、いつも書くのをさぼっている私です(反省)。
-----------
今回はいつものアガタ氏に加え、世界を股にかける女性ケイバー・チカノさんとJET隊長の吉田さんという超強力メンバーも加わり、賑やかになりそうな予感。
吉田さんは、GWだって言ってるのに飛行機のチケットを買うのが遅くて、26日のチケットが高額だったらしく、集合日よりも1日早い25日にジャカルタ着。吉田さんは海外でも日本食が食べたい人なので、ジャカルタの日本食レストランで豪遊している様子が仕事中にLINEで送られてきた。ジャカルタは日本人ビジネスマンが多いので、日本食には事欠かないのである。空港にも吉野家とか丸亀製麺が入っているくらいである。
私はエアアジアを使って、バンコク経由でジャカルタ入り。他の皆もそれぞれ26日深夜のジャカルタ発テルナテ島行きの飛行機に間に合うように集合する予定である。
ジャカルタの空港で荷物が出てくるのを待っている時に、そういえば酒をたくさんバッグに入れている(ガイドへのお土産)ことを思い出し、見つかったら(1Lが限度)350%の関税を払わされるらしいので、変なタグとかついてないかとちょっとドキドキししていたが、なんもなく出てきてあっさり通過した。
空港にもフリーWi-Fiがあるはずなのだけどうまくつながらず、先に到着しているだろうアガタ氏と連絡がとれない。
どっちにせよ現地でSIMカードを買うつもりだったし、ブースに行って、田舎でも比較的つながると噂のTelkomselのSIMカードを買いに行く。ショーケースにはTelkomselの4Gのと別ブランドの20G、30Gのが売られていて、Telkomselの方が値段が圧倒的に高い。でも、つながらなきゃ元も子もないので、モバイルルーターにTelkomselのカードを入れてもらって、おしゃれなヒジャブを被ったおねーさんにネットにつなげてもらうのに15分か20分くらいかかった。
そうこうしている内に、アガタ氏は暇すぎて国内線のチェックインを済ませて中に入ってしまったらしい。
国内線の預け荷物の制限は20キロまでなのだけど、ロープやカラビナなどの装備で絶対に20キロ以内にならなくて、エアアジアは事前に25キロにアップグレードしてぎりぎり通過した。だから国内線に乗る前にアガタ氏と荷物を振り分けて片方を20キロにし、片方の超過料金をアガタ氏と折半しようとセコいことを考えていたのだけど、目論見はずれ。
吉田さんの荷物は50キロ超えだっていうし、チカノさんと折半しようかなあと考えながら、第3ターミナルのOld Town White Coffee(マレーシアのカフェチェーン)でNasi Lemakと甘いアイスコーヒーを飲んでいたら、向こうから黒いタンクトップ姿の吉田さんがやってきて、「おまえ~ 現地の人かと思ったよ~w」とか言う。
既にチェックインを済ませてきたらしく、身軽になっていて、「預け荷物の超過料金、タダだったよ~」などと言うので、ええっ!とびっくりして話を聞いたら、超重い荷物をチェックインカウンターに載せたら「重いな。ダイバーか?」と聞かれて「違う、エクスプローラーだ!」と答えたらスタッフが爆笑して、OKOKとか言って荷物を預かってくれたらしい。どんな技なんだ、それは。アガタ氏は30キロ超の荷物に高い超過料金を払って中に入ったらしいよ、と伝えたら、吉田さんはニヤニヤしながら後で自慢してやろう~みたいなことを言って、丸亀製麺の方へ消えて行った。
キャッシュカードの調子が悪くてお金が引き出せないとか言いながら、チカノさんは、まったく平静な感じで、0時くらいに国内線カウンターの前にやってきた。
チカノさんは、機内で隣席だった人が、初めて飛行機で海外に行くのに、ありえないくらいトランジットを繰り返す激安チケットを買っちゃったらしく、遅延で絶対に次の便に間に合わなそうだったけど、あの人どうなったかなあ~みたいな話をしていた。
預け荷物超過してんだけどどうしようかなあとチカノさんに言ったら、探検用の45Lザックに手荷物を入れて預けを20キロにすれば良いよと教えてくれて(エアアジアは手荷物のサイズ制限が厳しいのでできなかった)、重量のあるアンカーやカラビナを移し、二人で同じペツルのアルカナドールを背負ってチェックイン。
テルナテ行きの飛行機は現地時間の1時半発だけど、時差で日本より2時間早いから、もう眠い。数時間前からゲート前に到着済みのアガタ氏はベンチで爆睡している。
テルナテ島までは約4時間だけれど、ここでまた時差が2時間生じて日本と同じに戻るので、着いたら朝の7時半。到着ゲートを出て、タクシーの客引きを潜り抜けると、いつも通りウェダリゾートの車が迎えに来ている。
テルナテ島は火山の島なので、空港の目の前も火山岩の岩盤がむき出しになっている。もしかしたら火山洞もあるのかもしれない。
だが、我々の目的地は、ここからまだま~だ遠いのである。((2)につづく)
リーマンのおかざは1か月間の海外遠征に行ったりできません。せいぜい10日間の休みが限度です。それでも2017年10月、2018年8月と過去2回、ハルマヘラ島での探検をやってきました。
全3回の成果についてはその内どこかで発表する予定ですが、ここでは、そんな報告には書かれないどうでもいいエピソードを書いておこうと思います。
思い起こせば第一回目にはガイドに引き回されたあげく観光洞に連れていかれたり、第二回目には洞内で水責めにあいかけたり、いつもネタに事欠かない遠征ながら、いつも書くのをさぼっている私です(反省)。
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今回はいつものアガタ氏に加え、世界を股にかける女性ケイバー・チカノさんとJET隊長の吉田さんという超強力メンバーも加わり、賑やかになりそうな予感。
吉田さんは、GWだって言ってるのに飛行機のチケットを買うのが遅くて、26日のチケットが高額だったらしく、集合日よりも1日早い25日にジャカルタ着。吉田さんは海外でも日本食が食べたい人なので、ジャカルタの日本食レストランで豪遊している様子が仕事中にLINEで送られてきた。ジャカルタは日本人ビジネスマンが多いので、日本食には事欠かないのである。空港にも吉野家とか丸亀製麺が入っているくらいである。
私はエアアジアを使って、バンコク経由でジャカルタ入り。他の皆もそれぞれ26日深夜のジャカルタ発テルナテ島行きの飛行機に間に合うように集合する予定である。
ジャカルタの空港で荷物が出てくるのを待っている時に、そういえば酒をたくさんバッグに入れている(ガイドへのお土産)ことを思い出し、見つかったら(1Lが限度)350%の関税を払わされるらしいので、変なタグとかついてないかとちょっとドキドキししていたが、なんもなく出てきてあっさり通過した。
空港にもフリーWi-Fiがあるはずなのだけどうまくつながらず、先に到着しているだろうアガタ氏と連絡がとれない。
どっちにせよ現地でSIMカードを買うつもりだったし、ブースに行って、田舎でも比較的つながると噂のTelkomselのSIMカードを買いに行く。ショーケースにはTelkomselの4Gのと別ブランドの20G、30Gのが売られていて、Telkomselの方が値段が圧倒的に高い。でも、つながらなきゃ元も子もないので、モバイルルーターにTelkomselのカードを入れてもらって、おしゃれなヒジャブを被ったおねーさんにネットにつなげてもらうのに15分か20分くらいかかった。
そうこうしている内に、アガタ氏は暇すぎて国内線のチェックインを済ませて中に入ってしまったらしい。
国内線の預け荷物の制限は20キロまでなのだけど、ロープやカラビナなどの装備で絶対に20キロ以内にならなくて、エアアジアは事前に25キロにアップグレードしてぎりぎり通過した。だから国内線に乗る前にアガタ氏と荷物を振り分けて片方を20キロにし、片方の超過料金をアガタ氏と折半しようとセコいことを考えていたのだけど、目論見はずれ。
吉田さんの荷物は50キロ超えだっていうし、チカノさんと折半しようかなあと考えながら、第3ターミナルのOld Town White Coffee(マレーシアのカフェチェーン)でNasi Lemakと甘いアイスコーヒーを飲んでいたら、向こうから黒いタンクトップ姿の吉田さんがやってきて、「おまえ~ 現地の人かと思ったよ~w」とか言う。
地味な外見のナシレマック。ふりかけご飯的な素朴さで美味しい。 |
既にチェックインを済ませてきたらしく、身軽になっていて、「預け荷物の超過料金、タダだったよ~」などと言うので、ええっ!とびっくりして話を聞いたら、超重い荷物をチェックインカウンターに載せたら「重いな。ダイバーか?」と聞かれて「違う、エクスプローラーだ!」と答えたらスタッフが爆笑して、OKOKとか言って荷物を預かってくれたらしい。どんな技なんだ、それは。アガタ氏は30キロ超の荷物に高い超過料金を払って中に入ったらしいよ、と伝えたら、吉田さんはニヤニヤしながら後で自慢してやろう~みたいなことを言って、丸亀製麺の方へ消えて行った。
キャッシュカードの調子が悪くてお金が引き出せないとか言いながら、チカノさんは、まったく平静な感じで、0時くらいに国内線カウンターの前にやってきた。
チカノさんは、機内で隣席だった人が、初めて飛行機で海外に行くのに、ありえないくらいトランジットを繰り返す激安チケットを買っちゃったらしく、遅延で絶対に次の便に間に合わなそうだったけど、あの人どうなったかなあ~みたいな話をしていた。
預け荷物超過してんだけどどうしようかなあとチカノさんに言ったら、探検用の45Lザックに手荷物を入れて預けを20キロにすれば良いよと教えてくれて(エアアジアは手荷物のサイズ制限が厳しいのでできなかった)、重量のあるアンカーやカラビナを移し、二人で同じペツルのアルカナドールを背負ってチェックイン。
テルナテ行きの飛行機は現地時間の1時半発だけど、時差で日本より2時間早いから、もう眠い。数時間前からゲート前に到着済みのアガタ氏はベンチで爆睡している。
テルナテ島は火山の島なので、空港の目の前も火山岩の岩盤がむき出しになっている。もしかしたら火山洞もあるのかもしれない。
だが、我々の目的地は、ここからまだま~だ遠いのである。((2)につづく)
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