テルナテの空港から港に向かう30分ほどの道すがら、ドライバーが話してくれたところによると、テルナテは昔から丁子の産地として有名で、中国とは長い交流があるので、中華系の人は結構住んでいるらしい。日本人は、戦時中に日本軍がハルマヘラを含むこの辺りの島に駐留していたので、歴史として知っている程度だそう。
テルナテ島は、隣のハルマヘラ島より圧倒的に小さな火山島なんだけど、オランダが植民地化するまでは、スラウェシ島やパプワに及ぶ広い範囲に影響力のあったテルナテ王国の中心地だった。インドネシアの一部となった今では政治的な力はないけれど、13世紀から現在まで続く王室があり、4年前に前の王様が亡くなって、今は次の王様を兄弟の中から選挙で選んでいるところだという。
空港を出て街を抜け港に到着すると、荷物運びのポーターが近づいてくる。ドライバーが何人か雇って、私たちの重いバッグは手押し車で桟橋へ運ばれ、フェリーに押し込められた。
小さなフェリーは、後部に座ったお兄さんが手で紐を引いて始動するタイプのエンジンを4つ積んでいる。30分くらいして、テルナテが小さくなり、船の揺れにうんざりした頃にハルマヘラ島の港ソフィフィに到着する。ここでもちゃんとウェダリゾートの迎えが来ていて、車に乗り込み、商店で調理用のガソリンと、虫よけクリーム、ラーメンなんかを買い込んで、サゲアに向かって約4時間の長いドライブのスタート。
もう日本を出発して24時間が経つというのに。相変わらず遠い。
ペットボトルの中の青い液体がガソリン。 |
山道と集落の繰り返しを眺めている内にうとうとしかけていると、ギタ ラジャという村の食堂に車が止まった。コーヒーブレイクとのこと。店に入って子供がテレビゲームで遊んでいるのを横目に、バルコニーに出ると、猫がたくさん寝ていて、みんなぴゃーっと逃げて行った。
その後戻ってくるが、人間に触られない間合いを保つ猫たち |
海に張り出したバルコニーからはテルナテの南に連なる火山島が見渡せる。下を見ると浅瀬にウミヘビやら、去年アガタ氏がビーチで釣り上げた「悪い顔のサンマみたいな魚」が泳いでいた。サンマのように細長い身でクチバシが尖っている。ドライバーがあれは「Fish of wake up」だと言う。鋭いクチバシで尻を刺してくるらしい。恐。
去年釣り上げたヤツ。おいしくいただきました。 |
再び車内でうとうとしながらも、時々道路の舗装がすごく荒れていて車が大バウンドするので、その度に寄りかかった窓に頭を打って目が覚めるというのを繰り返していた。特にウェダより先、サゲアの手前は坂の勾配が急な上に道が悪いので、サゲアの湖が見える頃には否応なく目を覚ましていた。隣を見たらチカノさんも同じようにガンガン窓に頭をぶつけながら、ものともせず寝ている。
サゲアの集落の西のビーチに面して、数年前までウェダリゾートが使っていたコテージの残骸があるので、そこをベースキャンプにさせてもらっている。ほとんどのコテージはもう自然に還っているけれど、一軒だけかろうじて使えるヤツがあるのだ。といっても年々雨漏りの穴も多くなっているし、壁に落書きも加わった上に、はがれていて、そろそろやばそうな物件ではある。
ご飯とテンペや野菜やチキンのおかず |
今回我々が洞窟探しに行きたいと思っていた場所は、前回までと違って危険なエリアなので、ポリスが一緒に付いて来るという話だった。荷物を整理していると、警官と軍人が一人ずつと、サゲアに住むガイドのジュマがやってきて、ガイド料の交渉が始まった。
日本で印刷してきた衛星地図を見せながら、この道を使ってここに行きたいという話をするのだけど…実はこれが第一の落とし穴だったのである~!((3)につづく)
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