2019年2月27日水曜日

京都市左京区のスキー場の話

チカノさんが海外遠征の話ばかり書くので(しかも面白くてつい読んでしまう)、ますますこのブログのハードルが上がってやしないかとハラハラしているオカザです。そんな私はもう2回も行っているインドネシア遠征の話をブログにまったく書いていないので反省至極ですが、今年は3回目に行く予定だから、それが終わったらば満を持して書く予定なのです(予定です)。

壮大な探検話はチカノさんに任せておくとして、私は日常の小さいことでも書こうかなと思い、先日京都市のスキー場に行ってきた話を。

京都市の、しかも左京区にスキー場があるという話をしても、京都に住んでいる人でもほとんど知らない、それが広河原スキー場です。

2月17日(日)、京都マラソンがあることをすっかり忘れていましたが、朝の衣笠付近はボランティアスタッフで溢れていました。朝から良い天気で、ベストなマラソン日和。市内から広河原へのアクセスは、スキー場HPによると周山回りと鞍馬回りがあって、周山ルートの方が比較的緩やかとのこと。鞍馬回りの方が所要時間1時間くらいで早いけど、今回は京北を通って、1時間ちょっとかかる周山ルートを選択しました。出町柳から京都バスで行くこともできるそうです。
今年は暖冬なので、京北をすぎてもまったく雪の気配なし。本当にスキー場に向かっているのだろうかと思う。HPでは積雪深75センチだそう。花背まで来て、ようやく山が少し白くなってきた。京都の北の山は杉の植林ばっかりなのですが、雪を被るとその人工的な規則性がよりはっきりしてくるので、トリックアートみたいで目がくらくらします。私だけだろうか。

看板がない
花背を過ぎても4~5台の車とすれ違っただけで、人もいないし、スキー場の案内板もないし、疑念が深まった頃に、あ、なんか車がたくさん停まっているところがあるなと思ったら、そこがスキー場でした。カーナビが到着を告げるのが遅かったので、うっかり通り過ぎちゃったじゃないですか。帰りに見たら看板があるべきところの看板がなくなっていて、本当にどこにも表示がない。だけど、よく見たらプレハブみたいな受付の向こうの方に動いているリフトが見える。闇スキー場みたいだ。ちなみに、広河原スキー場は平日はナイターしかやってません。土日のみ昼も開けています。夜なら灯りがあるからわかりやすいのかな。

一応均しときましたよ、みたいな駐車場に車を停めて、歩いたらすぐ受付、目の前ゲレンデ、なのは小さいスキー場ならではの楽さです。正面がリフト乗り場で、右は意外と立派なセンターハウス。駐車代は無料だけど、入場料が1000円で、一日券が3000円という、コース一本なのにお安くないお値段。ローカルスキー場がこの温暖化の中で経営を維持していくだけでも立派だと思うので、仕方ないと思う。でも、絶対飽きるので、2時間券2200円にしておいた。十分だった。
正面ゲレンデ

こちらの一本しかないペアリフトが、いままで行ったどのスキー場よりもアグレッシブにひざ裏に激突してくるので、ちょっと乗るのにコツが必要でした。途中、降り場があって、ここで降りると広い正面のコースだけ滑ることができる初心者向け。中間降り場で板が地面を擦ったり、ストックが枝にぶつかったりして、ぼんやりしていることができません。

中間降り場を過ぎ、山の間を通って一番上まで行くと、一瞬行き止まりみたいに見えて戸惑うが、左にちょっとした上り坂があり、その向こうから狭いコースが始まる。コースはもっとも狭いところは幅3メートルくらい。夜とか、うっかりコースアウトして山の斜面を転がる人がいるんじゃなかろうかと心配になる。一部はハーフパイプ状になっていて、長いスキーにはちょっとつらい。

どんどん狭まるコース
日曜だからか家族連れから若者グループまで意外と客が多くて、20人くらい。初心者が多そうでした。雪質は、滋賀や岐阜とは違って、ギューギュー鳴る感じで、時々降っていたので後半は若干パウダーっぽかったです。

センターハウスには軽食と飲み物くらいはあるみたいでしたが寄らず、昼にはあがりました。

京都市左京区のローカルスキー場は、近いし話のネタになるので、スキー・スノボやる人は一度は行ってみてもいいかもしれない。同じく小さいローカルスキー場である奈良県のスノーパーク洞川の「雪が溶けてしまったため営業できません」というお知らせを見ると心が痛むので、広河原は営業できて良かったなあと、なんだか親近感と応援したい気持ちも湧いてくるわけです。

2019年2月24日日曜日

広州 洞窟探検記 2018/12 ①

広州 洞窟探検記 2018/12 ①


近野由利子
※ 書いてみると、これは洞窟探検記というか、中国思い出記といった内容になってしまった。ハードコアな洞窟探検を求める方には、物足りないと思います。


去年の話になりますが、年末、中国の洞窟に行ってきた。
中国の洞窟には何度か行っているが、行くたびに中国の魅力というか面白さを新たに発見することができる。

洞窟自体はもちろんすばらしいのだけど、中国の人や文化のダイナミズムも、他の国では絶対に味わえないものがあり、訪れる前にはいつも、次はどんな事が起きるかとワクワクする。

中国人というと、世界的に良い評判を聞かないことが多いのが現状。残念です。
いつだったか、ベトナムで乗合いの高速バスに乗っていたとき、後ろの方の席に固まっていた多国籍なバックパッカーの集団が、みんなで中国人をこき下ろしていたんだけど、一人だけ「俺はあの国は素晴らしいと思う!長く滞在して、その素晴らしさを思い知った!」と強く主張する人がいたなぁ。

その気持ちもわかる。中国の雄大さと、現地で世話してくれる中国人の熱烈なおもてなしを体験すると、中国贔屓にならずにはいられないと思う。

思い起こせば、初めて中国に行ったのは2008年5月だった。
(10年以上前やん!)
当時、仲良くしていた中国人ケイバーに連れられて、重慶周辺の洞窟を旅して回った。

初めて見る中国の巨大なカルスト地形は、写真では見たことがあったが、実物もそのとおりの迫力だった。
それにも増して、中国の独特な文化にも圧倒された。
2011年に行ったカルストの谷


私たちは、村々の名士の家の軒先を借りて、泊めてもらいながら旅した。
いわゆるホームステイ?
田舎の村にはホテルなどの宿泊施設が無いので、中国の洞窟に行くときは、否応なくホームステイ形式になる。
現地の生活を知ることができるこのスタイルを、私はけっこう気に入っている。
2011年に泊めてもらった家の台所。だいたいの家がカマドの火で料理している


2008年の旅では、友人の中国人ケイバーが自分の遊び友達をたくさん連れてきて、彼らも一緒に旅したのだが、毎晩毎晩、大宴会が繰り広げられ、私たち日本人がちょっとでも顔を見せると「飲め、飲め」と酒を薦めてくるので、すっかり辟易して、私とほかの2人の日本人は、毎晩夕食が終わると、コソコソと逃げるように寝袋に潜り込んで、宴会から身を隠した。

中国では、盃を酌み交わすことで親睦を深めるので、彼らにしてみたら、私たちは非常に失礼な客人だったのだけど、静かに飲むならまだしも、どんちゃん騒ぎと一気飲みの連続にはとてもついていけなかった。

このとき、私たちはお酒を飲めない、ということにして断っていたのだが、そののち、2015年11月に国際的なケイビングイベントで中国を訪れた際に、別の友人たちと軽く飲んでいるところを、偶然、このときの仲間に目撃されて、バツの悪い思いをしたことがある。

向こうは悪意はないので、できれば嘘をつかずに済むといいのだけど、何しろ「外国人だから文化が違うのね」という同情心を一切持ってくれないので、苦し紛れに嘘をつくという羽目になってしまった。


夜の宴会問題のほかには、トイレのレベルが高すぎるところも結構なショックだった。

今となっては、かなりレベルの高いトイレも優雅に使いこなせる私。
しかし、当時はまだほとんどアジアを旅した経験が無く、いきなり中国の田舎でトイレ体験だったのだから、そりゃもう衝撃だった。

よくバックパッカーの旅行記なんかにも書いてあるけど、地面に長ーい溝があって、そこに用を足し、隣の人のモノが流れてくるのを眺める、というやつ。これはスタンダードコース。

地味に辛かったのは、トイレの扉がなくて、シャワーカーテンだけが境界だった家。
みんなが食事するエリアとトイレの境界は、強固なものであってほしいのに...。

トイレに入っている間、風が吹くたびに薄い水色のシャワーカーテンがフワフワとゆらぎ、外のエリアからの光が見え隠れするのだ。
和気あいあいと人々が食事するエリアと、一人静かに過ごすべきトイレエリアの境界が曖昧すぎるではないか...。

初回は、カーテンが動かないように、しっかりと端を掴みながら用を足したが、二回目からは悟りを開き、尻を見られたって別にいいわ、という気持ちになって、堂々と用を足すことができた。
境界という概念の曖昧さ、そんな哲学的命題を、身をもって体験することができた。

そして、私のお気に入りは、農家の定番トイレ。

農家では、必ず、各家庭の家畜小屋の隅っこにトイレがあって、みんなが出したものをそのまま隣にいる豚さんや牛さんにスナックとして提供している。
古き良き、循環スタイルだ。

少し町に近づくと、循環スタイルではなく、近代的?な汲み取り式のお宅もあったけど、それでも基本的にトイレの場所は家畜小屋の隅っこ。

ホームステイさせてくれる家は、村でも裕福な家なので、家畜もたくさんいる。
ブーブーモーモーコケッコーグワッグワッと大騒ぎの中で用を足すのは、結構楽しい。

特に素敵なのは夜中。
人間が眠る母屋から離れ、動物たちも寝静まった静かな家畜小屋で、健やかに眠る豚さん牛さんの体温と息遣いを間近に感じながら用を足すことができる。

昼間は騒いでいたニワトリたちも、柵の上に並んで静かに眠っている。
はー、なんてピースフルな空間だろ...。
夜は静かにしないと、ぶたさんが目を覚ましてしまう



いやはや。
どうしてもトイレ事情については熱くなってしまうわー。
しかし、他人が書いているのを読むのと、自分で実際に経験するのでは大違いなので、ぜひ一度は体験してほしい。


はじめて中国に行った2008年は、疲れ果てて、もう戻りたいとは思えなかったけど、3年後の2011年、また洞窟に誘われて、懲りずに中国に行った。

2回目の中国は、気合を入れて行った。
着いて早々に、とりあえず、ホテルの近くのベーカリーに、1人でコーヒーを買いに行ってみた。
重慶は大都会なので、おしゃれなベーカリーがある。
これだけハイセンスな店なら、少しくらい英語が通じるかも?
と、思ったのは間違いで、誰も英語が通じない。
メニューは漢字だけど、何が何だかわからない。

仕方なく、「カフェオレ2つ!あとブレンド1つ!」と大声で訴え続けた。
何語で注文したのか、今となっては覚えていないけど、大声でわめきつづきたことは覚えている。
諦めて帰っても良かったけど、ここで負けるわけにはいかないと思った。
最初は無視されたけれど、最後には向こうが根負けして、オーダー通りのものを作ってくれた。

勝ったと思った。
それからだと思うけど、何だか勝てる気がしてきた。
いや、勝てなくても同点には持っていけそうだ。

中国では英語がほとんど通じないので、私の得意分野が活かせないと思っていたが、そんなの些細なことだった、日本語でも英語でも大事なのは、「コーヒー飲まずにはここを一歩も動かねぇぞ!」という気合だった。
コーヒーくれ~!とゴネた、思い出のパン屋。写真を撮ったときは、おとなしくパンだけを購入。


それからは私も中国を楽しめるようになった気がする。
これが、アメリカとかヨーロッパだと、あんまりクレージーなことすると恥ずかしいのだけど、中国はなんだかみんなが精一杯なので、こっちも精一杯になりやすいのだろう。


と、ここまではプロローグ。長かったか。

そんなエキサイティングな中国に、いつも日本で一緒にケイビングしてるJ.E.Tメンバーたちと一緒に行きたいなーと考えていたのですが、私が海外の洞窟に行くときは一週間以上かけて行くので、真面目に社会人している人たちにとってはハードルが高くて、なかなか夢が実現できなかった。

そこへ、ここ2~3年、仲良くしてもらっている、香港洞窟探検隊のリーダー Pang Duckから、「週末、中国に探検に来ない?」とお誘いがあった。
週末に少し休みをくっつけて行ける程度の、短期の探検なので、みんな誘いやすいと思った。

きっと真面目な社会人も都合つけられるはず!と、J.E.Tのガールズケイバーをお誘いし、総勢 4名で中国洞窟探検に行くことになった!わーい!
洞窟で女子会だ!

なんか、やっぱり女子同士って楽しいわ。
ごめんね、むさくるしいオジサンたちよ。



おっと、香港洞窟探検隊のPang Duckを紹介しておかねば。
彼女とは、2016年にイギリスで開催された、「ユーロスぺレオ」というケイビングイベントで出会った。
その年の「ユーロスぺレオ」は、洞窟入り放題、ビール飲み放題の、まるで夢のようなイベントだった。

白人ばっかりのイベント会場で、私はPangが会場にいることに気づかなかった。
一緒に行ったJ.E.Tのオカザが「中国人の女の人がいたよ」と言っていたけど、私が実際に会ったのは最終日の前日だった。

ちっさいアジア人の女性同士、3人ですぐに意気投合し、翌日はイギリス人のケイバーと一緒にみんなで洞窟に行って、お互いに「お、やるな、こいつら」と認め合った(と、思っている)。

それ以来、Pang Duckのケイビングの先輩であるシャオツォン (Jia Liu)も合わせて四人で、一緒に洞窟探検に行くようになったのだ。

Pangは、ボーイッシュで小柄な女性ケイバーなのだけど、香港洞窟探検隊のリーダーとして抜群の統率力があり、登山・クライミングの経験が豊富なのもあって、さまざまなシチュエーションで優れた判断力や行動力を示しつつ、ユーモアいっぱいで、その場のムードを一気に明るくする。
間違いなく年下なんだけど、いつもすごいなーと感心し、尊敬するケイバーの一人。

Pangと知り合って、初めて知ったのだけど、香港人は中国本土の人とはまったく違う。
みんな基本的に英語が話せて、中国文化よりも西洋文化のほうに親しんでいる。
Pangも、イギリスに留学していたこともあり、英語が流暢なので、コミュニケーションがとりやすい。


Pangの先輩のシャオツォンは、生粋の重慶っ子なので、英語はそれほど得意でないけど、プロのケイバーとして国内外で活動していて、姐さん肌の頼れる存在。
無口なタイプだけど、洞窟の話になると、いつも興奮して熱弁をふるうので、シンパシーを感じている。


今回は、Pangとシャオツォンのほか、香港から顔なじみのメンバーが3人、重慶から2人の新顔メンバーが参加して総勢11名での広州洞窟探検隊となったのだ!

さてさて、中国で洞窟というと、貴州か重慶ですよね。え?しらん?
いや、そうなんですよ。貴州か重慶なんです。

でも、今回は広州。
広州は、中国でも最近、洞窟が見つかりはじめて、ちょっと注目のエリアらしい。

中国大陸の南の端っこ、香港の北側に位置する広州。
香港在住のPangたちは新幹線でやってきて、空港の近くでレンタカーを借り、移動手段とした。
シャオツォンたちは、重慶から車でやってきた。


日程は2018年11月30日(金)~12月2日(日)。
30日に広州の空港で集合し、12月1日と2日は洞窟に行き、2日の午後には解散、という駆け足の旅程。

私は帰国した3日(月)の朝、そのまま出勤という、社畜スケジュール。

私以外のJ.E.Tメンバーは、関西空港発着で、接続が良く、30日(金)の朝に出国の便だったが、私だけ名古屋発なので前日29日の朝から出国して、韓国で半日以上のトランジットの末にようやくたどり着いた。
こういうとき、地方に住むというのは、リスクが高い。

広州は気温14~15℃で少し暖かいと言われたけど、どうやらそれは洞窟の中の気温のことだったらしく、実際、到着すると、広州は南国だった。
昼間の気温は、20度以上だったと思う。

夜は少し肌寒いけれど、昼間はジャケット無しで大丈夫。
サボテンみたいな植物が道路沿いに生えていて、持参したダウンとかカイロとか、すっかり無駄だった。

予定では30日の昼すぎには、日本チームと中国チームが広州の白雲国際空港で集合して、目的地の陽川へ向かうはずだったのだが、それぞれのチームでいろんなトラブルが発生。

竪穴装備を忘れて取りに帰った人、
身分証を忘れて取りに帰った人、
勤務先の病院で患者が亡くなり、帰宅予定が遅くなった人、
広州に向かう途中で乗っていたタクシーが事故を起こした人....。

みんなの様々な事情で、予定どおりにスタートできなかったけど、
「まぁ、いっか」なムードで臨機応変に事が進んでいった。

全体の集合が遅れるので、香港チームのうち二人が、先発隊として先に洞窟のある陽川に向かって、洞窟のある場所をドローンで確認する任務を受けて出発した。

私たちは、街のレストランで食事しながら、のんびりと時間をつぶした。

全員集合できたのは夕方。
それからスーパーに寄って、洞窟内で食べる行動食を買ったりしてから、夜の20時近くにようやく高速道路に乗れた。
マイペースのPangも、さすがに焦ったようで、必死の様子で車をひたすら走らせた。
陽川のインターで降りたころは、夜22時。

みんな空腹だったので、先発隊の香港チームの二人の誘導で、インターの近くの鶏鍋屋さんで軽く乾杯&食事した。

広州は地鶏が名物。鶏鍋で乾杯~。水炊きみたいな感じ。うまい
苗洞窟のある村で作っているという地酒を味見した
放し飼いの地鶏は臭みがなくて美味

食事のあとは、高速インターから近いホテルへチェックイン。
いつものように農家でホームステイするのを期待していたけど、陽川はそれよりも都会なので、ホテルがあった。

宿泊したホテル。安い!キレイ!Wifiあり!
翌朝はホテルから車で20分くらいの村にある洞窟へ行くそうだ。
朝8時半にロビーで集合して、朝ご飯を食べに行こうと約束して、それぞれが部屋に分かれていった。

部屋に行ってからは、明日のケイビングの用意をしたり、シャワーを浴びたりして、ベッドに入ったのは深夜1時近かった。

長旅にはつきものの、長くてあわただしい一日だった。

つづく







2019年2月9日土曜日

ペーパーレス測量体験会

2月3日日曜にペーパーレス測量体験会を多賀町で行いました。
参加者は9名。
林業会館会議室の暖房が効かなかったので、急遽和室をセッティング。

第1部はペーパーレスの概要とトポドロイドの操作説明をして、天気が崩れない内に佐目風穴に移動し第2部のお試し測量。その後、林業会館へ戻り、DistoXとキャリブレーションの説明をしました。

みんな熱心にDistoXとAndroid端末を使って測量をしていましたし、関心も高いなあと感じました。

私たちがやってるペーパーレス測量はDistoを改造してやるので、測量計代も入れたら結構お金がかかるし、マニアックな作業もいるので、ハードル高いと思ってましたが、説明している内に、別に改造までしなくても、紙をAndroidアプリに置き換えるところから始めればいいんだよなあと気楽になりました。

参加者たちはスマホ世代でアプリやネットを難なく使いこなせるし、体験会をきっかけに色んな方法にチャレンジして、私たちに情報を教えて欲しいなあと期待です。
とりあえず、国内ではチーム内の3、4人間でしか通じなかったマニアックな話題を、色んな人に共有できたことが嬉しい!


2019年1月11日金曜日

ケイバーズ・イングリッシュ Vol.3

ケイバーズ・イングリッシュ Vol.3


ケイビングを始めてから、マニアックな英単語を使うようになった。しかも、頻繁に。

そんな独特の常用単語をご紹介します。
まじ、これ知らないと、洞窟内外での情報伝達に困ります。

■ Hibernate   ハイバーネイト
意味: 冬眠する 

コウモリ情報でよく使う単語。名詞はHibernation(ハイバーネイション)。

Hibernate自体は、コウモリ限定の単語ではありませんが、ケイバーの場合は、冬眠といえばコウモリを連想しがち。

「コウモリは冬眠中、無理やり起こされると、冬眠に戻れずに死んでしまう」
これ世界的常識ですから。冬眠注意!冬のコウモリには近づかないでね。

あと、6月ごろは出産シーズン(日本)らしいので、ベイビーにも注意。

□例文
When hibernating bats are disturbed, it raises their body temperatures, depleting fat reserves.
冬眠中のコウモリの邪魔をすると、コウモリの体温が上昇し、(代謝が上がることで)蓄積した脂肪を使い果たしてしまう。

ちょっと例文が難しいか....。

■ White-nose syndrome   ホワイト・ノーズ・シンドローム
意味: ホワイトノーズシンドローム 

コウモリと言えば、で思い出した言葉。
今や、国際的なケイビングイベントでは、WNS対策が常識になっています。

ホワイトノーズシンドロームとは、北米(特に東側)~カナダで多く確認されているコウモリの病気で、冬眠中のコウモリの鼻や翼に白いカビがついて、感染したコウモリは冬を越せずに死んでしまいます。

同じコロニーにいるコウモリにはほとんど感染するようで、一つの洞窟で発生すると、洞窟内でまたたくまに広がり、9~10割が死滅する場合もあるそうです。

2006年に初めて確認されて以来、急激に被害が拡大し、「シンドローム」と呼ばれるほど異常な事態になっています。

北米の多くの洞窟ではWNSの拡大を防ぐため、入洞禁止の措置がとられたり、ケイバーたちは洞窟間での感染を防ぐために、ひとつの穴に入った後は、装備を徹底的に洗浄して除菌するなどの対策をとっています。

国際的なケイビングイベントでは、ウェブサイトに「WNSのエリアから参加する方は、しっかり洗浄した装備で参加してください。」といったコメントが追記されています。

コウモリは、畑の害虫や、蚊などを食べてくれる益獣なので、何百万頭単位でコウモリたちを死に追いやるWNSに対して、アメリカの魚類野生生物局(Fish and Wildlife Service)も対策に乗り出しています。
https://www.whitenosesyndrome.org/

WNS問題に限らず、洞窟で使用した装備は、別の洞窟に行く前にきれいにするのがマナーかと思います。
ある洞窟の環境で問題ないものでも、よその洞窟にどんな影響を及ぼすからわからないので。

と、言いつつ、泥だらけのツナギをバッグにつっこんだままにしている確率が高い私ですが。



■ Limestone   ライムストーン
意味: 石灰岩 

え!これくらい常識やろ!
と、思ったけど、普通の英会話には出てこないー。

しかし、ケイバーにとっては、基本中の基本な単語。

□例文
Where is the biggest limestone area in this country? 
この国で一番広い石灰岩エリアはどこですか?

(激アツな例文やな....。)


■ Granite   グラナイト
意味: 花崗岩 

御影石と言われる石で、三角点などに使われている。
正直、この石に興味はないが、石の種類はある程度覚えたほうがいい。

□例文
There's only granite in this area. 
このへんは花崗岩だけですよ。


■ Basalt   バサルト
意味: 玄武岩 

よく見る岩です。わりと好きです。

□例文
There's only basalt in this area. 
このへんは玄武岩だけですよ。


■ Dolomite  ドロマイト
意味: ドロマイト 

石灰岩が変成してできる石。石灰岩地帯の近くによくあります。
セメントや肥料に使われるため、よくドロマイトの鉱山もあります。

ドロマイトの鉱山がある、と言われると、ちょっと興味を引かれます。
お?近くに石灰岩あるのかな?って。

□例文
There used to be dolomite mines in this area.
このへんは昔はドロマイトの鉱山があったんだよ。




今回は、ちょっぴりアカデミック路線で攻めてみました。

もうちょっと、スポーツ系の用語で、普段は思いもよらないような単語を紹介したほうがいいのかな。

でも、フィジカルな説明とかはゼスチャーで何とかなるので、あまり知らなくても大丈夫だよなぁ...。

2018年11月27日火曜日

ケイバーズ・イングリッシュ Vol.2

ケイバーズ・イングリッシュ Vol.2


ここ数年、海外のケイビングイベントに参加する日本人ケイバーが増えている気がします。
ヤングなケイバーたちはきっとインターナショナルなコミュニケーションもスマートにパフォームしちゃうのであろうなぁ。

一方、外国人を前にすると、なぜか、道路でパトカーが後ろにぴったり着いてきたときのように、わけもなくビクビクしちゃう、オールドケイバーのみなさん。
私の心はみなさんと共にあります。

ぜひ、このケイバーズ・イングリッシュを参考にして、根拠のない自信をつけてください。
2021年には、フランス・リヨンで国際洞窟会議が開催されますから、そこに照準合わせていきましょうよ。

フランスと言えば、あのペツルのある国だし、ffs (French Federation of Speleology)はケイビングの技術や環境保護の最先端を走る組織ですよ。

残念ながら、フランス自体はフランス語に強いプライドがあって、英語は肩身が狭いようですが、会議では英語がメインの言語になること間違いなしです。

国際洞窟会議の際には、会議の前後期間で、周辺の洞窟に案内してもらえる巡見(Excursion)が開催されます。
ヨーロッパの洞窟でケイビングするのには最高のチャンス!
それまでにケイビング技術と英語力を研いておきましょう!


なお、vol.1同様、あくまでも経験した範囲内の知識によるものです。
例文の文法は、けっこう雑な感じになってます。文法は雑でも十分に通じます。
ただし、国やエリアによって、表現が様々な部分もあるので、通じなかったらゴメンなさい。

なにしろ、英語を使うときは、「気合い」「度胸」、そして「慣れ」が大事!
ひるまず、通じないときも「自分は悪くない、どうせ相手もネイティブじゃないのだ」、と自分に言い聞かせて突き進みましょう。

ネイティブと話すときは.....、つらい。
優しい人を選んで話しましょう。



■ Caving club   ケイビングクラブ
意味: ケイビングクラブ(そのまま)


海外でケイバーに会ったとき、相手がチームや団体に属しているのかを聞くのは、良い会話のきっかけです。
アメリカ、ヨーロッパでは、ケイビング団体のことは「クラブ」と言ったほうがニュアンスが合っているようです。

□例文
Are you belong to any caving club?
どこかケイビング団体に所属していますか?

会話のスタートはこれで。

で、続きはだいたいこんな感じになる...(例として、イケメンスイス人ケイバーが登場します)
イケメンスイス人ケイバー: Yes, I'm belong to a small club in my country.
ええ、自国の小さなチームに所属しています。

自分: How many people in your club?
メンバーは何人くらいいるの?

イケメンスイス人ケイバー: About 20.
だいたい20人くらいかな。

自分: And, how many are active members?
そのうち、活動によく参加するのは何人?

イケメンスイス人ケイバー: Well, not so many. About 4 or 5.
そうだな、多くないですよ。4~5人かな。

自分: I think that's pretty active club.
それってけっこうアクティブなチームだと思うな。

こんな感じ。
相手がイケメンケイバーだ!頑張ってこの先も会話を続けましょう!


■On rope オン  ロープ
意味: (竪穴で)降ります/登ります



竪穴で、降りるとき、登るとき、ロープに触る前に、コールをかけますね。
降りるのも登るのも、「オン  ロープ」が使えます。

降りるとき限定ですが、「Rappelling (ラペリング)」も使ったことあります。
「ラペリング」はアメリカだったかも。

日本でも言えることですが、ロープに触る前にコールしなければいけません。
アッセンダーやディッセンダーをセットしてから、登る/降りる直前にコールする人を見かけますが、コールする理由は、ロープを使用していることの連絡だけではありません。
ロープに触ることで発生する落石などへの注意喚起の意味もあるのです。


■Rope free ロープ フリー/ Off rope オフ  ロープ
意味: (竪穴で)到着



竪穴で、降りたあと、登ったあと、ロープから離れて安全な場所に退避したら、コールをかけます。降りたあとも、登ったあとも、「オフ  ロープ」が使えます。

私は「Off "the" rope」と、「ザ」を入れて使ったような記憶ですが、「ザ」はいらないですねぇ。

「オン」と「オフ」、「ロープ」の間は少し空けて言った方が、分かりやすくてよいと思います。

追加
「オン ロープ」は「オフ ロープ」と混同しやすいので、「Rope free (ロープ フリー)」のほうが一般的とのタレコミあり。たしかに、そっちのほうが聞き覚えあり。
なにしろ、経験したこともすぐに忘れていく傾向がある。
メモ帳に書いても、メモ帳を失くすし。
とにかく、毎日、必死に生きております。

ここから、イングリッシュ関係ない、うんちく?ですが。

日本でも言えることですが、ロープから離れて安全な場所に退避してからコールしなければいけません。
到着してすぐ、まだロープに触っている状態でコールする人もいますが、コールをしたら、すなわち、次の人はすぐに登ってきて/降りてきてもいいよ、という意味です。
落石被害の危険がある状態でコールしてはいけないです。

しかし、しばしば、洞窟が狭すぎて、落石の無い場所に退避できない場合もありますね。
そのときも、できるだけ落石の確率の低い場所へねじ込むか、落石が当たることを想定した態勢をとるなどの対策を!


決して、ロープの真下に立って、次に降りてくる人を、口を開けて見上げるなど、しないでください。
危険です。

ロープが触るなどして不安定になった石が落ちてきて当たった人を、すぐ思い出すだけで4人は知っています。
石に当たってヘッドライトが壊れた例もありました。

退避している場所まで石が飛んできたケース、登っているときに落石が起きたケースなど様々ですが、普通に落石は起きるもの!と、思ったほうがいいかと。

はい。うんちくはここまで。すみません。


■Clip クリップ
意味: カラビナをかける

これ、クライマーには普通の用語なのかもしれません。

□例文
You can clip here.
ここにカラビナかけられるよ(ここで確保とれるよ)


■Slack スラック
意味: (確保)解除

これもコール系。

クライミングなどでも同じですが、自分が壁を登って、もう一人がビレイしている場合。
ビレイを解除してほしいときは
「Slack スラック」
と言いましょう。

テンションかけてほしいときは、日本と同じく
「Tension テンション」
と言えば通じます。

ロープのたるみのことを、日本でもスラックと言いますね。意味は同じなので覚えやすいかと。

□例文
I need a slack in the rope.
テンション緩めてほしい



今日は活動中に使えそうな、実用単語で責めてみましたよ。
これも使えるで!とゆーケイバーズイングリッシュがあれば、ぜひご教示ください。

ほなまた。

2018年11月24日土曜日

【豆知識メモ】座標の表示形式について

山の中の洞窟の位置を誰かに教えるとき、緯度軽度の座標を使います。

ところが、みんなが同じアプリやGPSを使ってる訳ではないので、送られてきた座標がそのまま使えないという場合がたまにあります。
探検を始めた当初はそんなことは知らなかったので、「なんだか桁がおかしい」と思いながら、そのままぶちこんで全く違う場所が地図上に表示されたりしたこともあります。

それで今更ながら、GIS素人でもわかる、よく使われる表示形式解説をメモ。

DMM(度分)形式
例 N32°30.300'

DMS(度分秒)形式
例 N32°00'52.2'' (N32°00'52.23の表記も同じ)
*iPhoneアプリ「FieldAccess」、Androidアプリ「地図ロイド」はこの形式。

Degree(DEG)形式
例 35.657272
*Googleマップはこの形式。「地図ロイド」はこの形式に表示切替可能。

*ガーミンのGPSは、設定で表示形式を変えられます。

別の形式で送られてきた座標は、変換することで利用可能です。
一番簡単な方法は、Googleマップ。DMM、DMSどちらを入れても、DEGを表示してくれます。また、地図上の指定の場所を右クリックして「この場所について」をクリックし、座標をクリックするとDMSとDEGが両方とも表示されます。



自動で変換計算してくれるサイトもあるので紹介だけ。

DMM⇔DMSの変換
http://gpsuser.sakura.ne.jp/dmm2dms.html

DMS⇔DEGの変換
https://arison.jp/arilabo/latlon.html

ほんとは日本測地系と世界測地系の話もしないといけませんが、勉強不足のため持ち越し。

2018年11月16日金曜日

キルギス洞窟(岩陰)探検遠征 8 最終回

キルギス洞窟(岩陰)探検遠征 8 最終回

近野由利子

9/14~16の3日間は、ナリンの町から近いキャンプサイトを起点にして、周辺の山を歩いて洞窟を探した。
3日目。目的地に行く途中で道に迷い、村のおじさんにヒアリング

結果的には、短い穴しかなかったけれど、これは洞窟だよな!と思ったものは測量した。というか、とにかく、ちょっとくらい測量したかったのだ。

なんて言うと、測量がすごい楽しいみたいかな。

誤解の無いようにしておきたいのですが、洞窟測量が一般的な基準でそんなに楽しいってわけではないです。
一度でも経験のある方はおわかりと思いますが、その作業は退屈で辛く、終わりの無いものです。これを "楽しめる" のは、ごく少数の変人かと。

ケイビング自体が変態要素が強いうえ、さらに洞窟測量を "楽しむ" のは、凝縮された変人だよなーと思いつつ、やり始めるとやめられない。

狭くて水の流れる支洞で、寝転がって必死にポイントをとっているとき、ふと、湧き上がる高揚感...。て、そんなの私だけ?もしかして。

でも、もうここで行き止まり=測量おしまい、かと思ったポイントで、まだまだルートが続いていると分かったときは、めちゃ面倒くさい。ここで、モチベーションを再起動する必要がある。
この精神力は実生活でけっこう役立っていると思う。

ただし、私の場合、やたら測量したがるくせに、帰って製図を始めるまでが超絶面倒くさいという始末の悪さ。

まぁ、そんなことはさておき。

9/14 1日目。キャンプサイトから歩いてアプローチできる深い谷の両側の山に登って、洞窟を探した。


山のふもとの一軒のユルタに住んでいる家族が洞窟の場所を知っている、とアレクセイが言うので、
「彼らに洞窟の入り口まで案内してもらおうよ。それが一番早いよ」
と提案したのだけど、なかなかその家族とタイミングが合わず、結局は自分たちで、あてもなく歩くことになった。

私たちは、深い谷の両側の稜線を、二手に分かれて歩いた。

谷は急峻で、2つの隣り合った稜線の間は100~200 mくらいしか離れておらず、木もほとんどなかったので、反対側の稜線を歩いている人や牛を簡単に見つけることができた。

吉田さんと私は、いったん稜線上に登りきると、斜面に座り、持ってきた食料をつまみながら、谷の反対側にいるギルバートやマーティンを双眼鏡で観察した。

観察しても、ギルバートたちが何か面白いことをするわけではない。
「あ、ギルバート、あっちに歩いていった」
「ほらほら、あの白いバックパックがカーチャだよ」
「いや、あれは牛だろ」
とか、言うだけなのだ。

洞窟が見つからないので、よっぽど退屈していたのだろうなぁ。
この観察がけっこう楽しくて、気づいたら1時間以上過ぎていた。

後でギルバートに、「稜線でのんびりピクニックしてたでしょ。見てたよ」と言われた。
そりゃ、私たちから見えるから、向こうからも見えるよね。

岩が全然溶けていなくて、洞窟がなさそうなので、空も心も曇り模様
いつまでも人の観察をしていても仕方ないので、重い腰を上げて、さらに稜線を歩き続けることにした。

昼過ぎになって、突然、雷が鳴り始めたと思ったら、大粒のヒョウがボタボタと降り始めた。
そのとき私は、周りに何もない稜線上を一人で歩いていたので、雷鳴がすごく近く感じられて、ちょっと怖かった。
雷に打たれないように、岩の影に隠れながら進んだ。

しばらくしても雷がやまず、どうしようかと思っていると、少し先を歩いていた吉田さんから無線で連絡があり、危ないから下山しようということになった。
吉田さんはとても用心深いので、きっと下山しようと言うだろうと思っていた。

キャンプに戻ると、ほかのメンバーはすでに下山していて、大きなテントにみんなで集まってティータイムをすごした。

実は、この日は少し寂しい日だった。
セシリオが仕事の関係で早めにスペインへ帰るため、翌日には首都のビシュケクに戻ることになっていた。
みんな名残惜しくて、連絡先を交換し、また会おうと約束した。

セシリオは私と吉田さんに
「日本人に会ったのは初めてだけど、君たちを見ていたら日本に興味がわいてきた。
今度、ミゲルと一緒に遊びに行きたいと思ってるよ。よろしくね。」
と言ってくれた。

私たちの何に興味がわいたのだろうか...。
分からないけど、日本に興味を持つきっかけになれて嬉しい。
しかし、私たちはあまり平均的な日本人ではないと思うので、彼らが実際に日本に来てどう思うのか、少し心配だ。



9/15 2日目。アレクセイの友達の情報で、洞窟があるという谷へ向かう。
できれば案内人を頼んでほしいのだけど...。今日も、よくわからない山をさまようのか...。

それでも、マーティン・カーチャ・ギルバートはやる気満々なので、つられて一緒に歩く。

この日の谷の規模は小さいけれど、やはり急峻だった。谷の幅は広くても50mくらい、深さは、深いところで80mくらいかな。

稜線から、谷の反対側の壁を観察しながら歩いていき、いくつか洞口らしいものがあったので、谷の始まりまで山を歩き、降りやすい場所を見つけて、谷底に降りて行った。

谷の底で3つ、短い洞窟を見つけたので、私はそのうち2つを測量した。
もう一つは、崖の上のほうに登らないといけなかったので、パスした。

ひとつめ、ギルバート洞窟。発見者ギルバート。
7メートルしかないけど、奥のほうに青い結晶のようなものがあって興味深い。




ふたつめ、ミゲル洞窟。発見者ミゲル。
平面では4.8メートルですが、上のほうに向かって、見える限りでは7メートルくらい伸びていた。

まだ登っていけばルートがあったのかもしれないが、洞口が谷の底なので、いくら上に登っても、結局は谷の上に出るだけなので、見える範囲だけ確認しておしまいにした。


洞窟を探しなら歩いていくと、どんどん谷が狭くなって、スタート地点の道路に出てしまった。この日はこれでおしまい。

おつかれー

9/16 3日目。今日の場所は有望!とアレクセイ。
昔は鉱山があった町の近くなので、ちょっと有望かも。

途中で少し迷いつつも、比較的スムーズに目的地に到着し、谷の入り口に住む農場主に話を聞く。

農場主「洞窟?あるよ。谷の入り口から1kmくらい歩いた右側だよ。羊が500頭くらい入れる、でかいやつさ!」

羊500頭はすごいぞ。

右に見える山に洞窟がある

農場主が教えてくれた谷の川沿いを、みんなで歩いて行った。いつもは留守番したがるトゥルンも、最終日だからか、一緒についてきた。

ミゲルと吉田さんは歩くのが早いので、先に洞口の見える場所に到着して待っていた。


洞口は、川沿いから標高で150mくらい登ったところにあり、ミゲル・吉田さん・私・ギルバートは登り始めたけど、あとのみんなはギブアップ。
ここでも標高は2900mくらいだったので、私だけでなくみんな、少し登るだけで息が切れて、辛いみたいだった。
左上の岩山に黒く洞口が見える

山の斜面にはトゲトゲの灌木がたくさん生えている。足元が不安定なので、登る途中で、何度かトゲトゲの枝をつかむことに…。

一時間くらいして、洞口にたどり着いたら、手がボロボロ。
しばらく、スマホの指紋認証ができなかった…。

洞窟はたしかに大きいけど、羊500頭には狭かった。ギュウギュウに詰めても50頭かな?
でも。ここに羊を連れてくるのが至難の技だよ。

床面は大量の鳥の糞でおおわれていた。


羊の穴を見た後、山を降りて、一部屋だけの空間だったことを伝えると、みんなそさくさと帰り始めた。

帰りに別の山に寄って、いくつかドローンで洞口らしき穴をチェックしたけど、いずれも入り口から奥が見える程度の深さだった。

この日が探検の最終日だったので、帰り道にウォッカを買って、夜は乾杯大会。
外国人は乾杯のコメントが上手だよな。
一瞬で思いつくの?それとも、昼間ずっと考えてるのか?


翌朝は一斉に片付け。
みんなで首都のビシュケクにわき目も降らずに帰っていった。
ナリンからビシュケクへの帰り道の景色


アレクセイは、途中にある有名なリゾート地・イシククル湖へみんなを案内したがったが、みんな早く帰りたがった。

「いいから早く帰ってパッキングしたい!」
「早くWiFiに接続したい!」
「早くシャワー浴びたい!」
「早く日本食食べたい!」

ここでみんなの目がキラーンと光った。

カーチャ「え?日本食レストランあるの?」
マーティン「そこ、おいしいの?」
ミゲル「行きたいな」
ギルバート「みんな行くなら行こうかな」

というわけで、一目散にビシュケクのホテルに帰った私たちは、大急ぎでシャワーを浴びて、日本食レストランに全員で押し掛けたのだった。

もちろん行ったのは、初日に発見したFURUSATO。みんな、この店のサービスと味に大満足でした。
FURUSATOで始まり、FURUSATOに終わったキルギス遠征だった。



ヘレエナのこと
ヘレエナは、最後の三日間だけ同行したブルガリア人の生物学者ですが、昼間は私たちと行動しなかった。

なぜなら、彼女の活動時間は夜中。
コウモリの研究者なので、コウモリの時間に合わせていた。

夕方から山に登り始め、コウモリの通りそうな谷に網を仕掛けて待機。
網にかかったコウモリのDNAを採取してリリースする。

DNAはごく小さな針で採取するので、コウモリへのダメージは最小限だ。

極寒の山頂で、夜中ずっと起きてコウモリの番をするので、大変な作業だ。

残念ながら、ナリンでは一頭もコウモリが捕まえられなかったらしい。
コウモリはたくさん飛んでいるのだけど、網にかからなかった。やはり、洞口に仕掛けないと、避けられてしまうのだろう。

去年は、オシと言う町で地元の大学生を連れて洞窟に行き、共同調査を行ったとのこと。

キルギスの学生にコウモリの大切さを知ってもらい、無意味な捕獲や、住処である洞窟などの自然破壊を止めるべきという考えを広めたいと言っていた。
コウモリは農作物の害虫や、蚊などをエサとして食べてくれるので、知らないうちに人の役に立っているのです。

また、キルギスでは、まだまだ女性は家を守るべきという考えが根強いことも指摘し、大学に残って研究を続けたいと言う女子学生が、親の反対を受けて諦めた例を挙げて、キルギスの女性にも希望すれば社会で活躍できる環境になってほしいと力説していた。

キルギスの自然と人に深く関わって、キルギスが大好き!と言いながらも、変わるべき点を指摘して、積極的に活動しているヘレエナはすごいなと思う。


ヘレエナ「オシには洞窟あったよ」
くー、無念。
オシはとてもよく調査されているので、ターゲットから外したのだった。


帰国したときには、もうキルギスには二度と行かないと思ってたけど、洞窟の情報があれば、また行きたい。
コキヤは、圧倒的な自然がすばらしい地方で、行って良かったと思うけど、洞窟が無さすぎる!

キルギスにいる間ずっと、舌がひどい炎症を起こして、痛くて不便だった。そんなの初めてで、何が原因かわからないけど、帰国したらサッと治ったので、洞窟不足のストレスだったのかなと疑っている。

スパシーバ!