キルギス洞窟(岩陰)探検遠征 7
近野由利子
9/11 終日、コキヤの渓谷を歩きまわって、洞窟を探す。
午前中は尾根沿いを歩き、午後からは谷を降りて、川沿いを歩く。
歩いて行けないような険しい場所は、ドローンも活用した。しかし、前日の下見で目星をつけた場所はことごとくハズレだった。
尾根上の洞口をドローンで偵察 |
切り立った渓谷だけど、場所を選べば川まで降りられる |
川から見上げると、尾根から20mほど下の垂直な壁に洞口?が見つかった。
トゥルンが「さっきあの穴に山羊が入っていったよ」と言うが、山羊が出てくるのは誰も見ていない。
山羊は歩いて行けるけど、人間はとてもフリーでは登れない場所なので、尾根の上からロープを垂らして、壁を降りて、洞口に入ってみることになった。
尾根に上がって、洞口の上まで近づき、下降地点を決定したときはすでに夕方近かったので、とりあえずアンカーを一本打っておいて、明日の朝降りることにした。
セシリオがアンカーを打った |
岸壁をロープで降りてみるという計画に、みんなワクワクしている。
しかし、この日、キャンプに帰ると、アレクセイが、明日から参加するブルガリア人がいるので、その人を迎えに行くために、明日の夕方までにナリンの町へ行かなければならないと言い出した。
ナリンの町までは3時間以上かかるので、翌日の昼にはキャンプサイトを撤収したいそうだ。
あまり時間がないので、翌日はとりあえずセシリオと吉田さんの二人が壁を降りて、もし洞窟が大きかったら、いったん撤収してから、ブルガリア人も一緒にまたこの渓谷に戻ってきて、全員で降りる、ということになった。
9/12 全員、朝から急いで尾根に登り、セシリオと吉田さんが壁を降りるのを見守った。期待に反して、予想どおり?、やはり穴は奥までつながっていなかった。
トゥルンが見たと言う山羊もいなかったそうだ。
近くにはもう一つ穴があったけど、それも岩陰レベルだったとのこと。
ミゲルは「まぁ、こんなもんさ。20個の洞口
いつもはミーシャのお父さんがドライバーなのだけど、今回はミーシャがどうしても参加したいと言って、二人が交代で来ることになっていたらしい。
ここの標高は2100m程度なので、格段に温かい。顔のむくみもすぐに解消された。
近くにはもう一つ穴があったけど、それも岩陰レベルだったとのこと。
ミゲルは「まぁ、こんなもんさ。20個の洞口
を見つけても、1つも洞窟が見つからないときもある」と飄々としている。
12:00にはキャンプに戻って撤収し、13:00にはナリンの町に向けて出発していた。
次のキャンプサイトは、ナリンの町から車で20分くらいの場所なので、いったん次のキャンプサイトへ向かう。
ところが、16:00にキャンプサイトへ到着したが、その場所の管理者の人が、中に入らせてくれない。そこは国立公園のような場所らしく、立ち入りの許可はアレクセイが取ってあるのだが、管理者の人が特別な許可証がないとダメと言って、通してくれないのだ。
アレクセイは困った様子で、いったんナリンの町へ行って、役所の責任者に相談すると言う。もう夕方なので、今夜はナリンに宿泊することになった。
予定外のことだけど、みんな5日ぶりにシャワーとWifiにありつけると分かって、はしゃぎ始めた。突然だったので、ゲストハウスが空いていなくて、チェックインまでに2時間かかった。しかし、部屋が決まるとすぐ、私たちはシャワーを浴びたり、ベッドで休んだり、思い思いにくつろぎ始めた。
一方、アレクセイたちは何だかモメ始めて、駐車場で言い合いをしている。後でトゥルンに聞くと、色々と事件が起きていたようだ。
一番大きな事件は、レナが翌日から家に帰ってしまったこと。どうやら体調が良くなかったらしい。
そんなことも知らず、私たちはくつろいで過ごしたあと、夜は隣のBBQレストランでビールとキルギス風BBQを楽しんだ後、快適なベッドで、凍えることもなく、ゆっくり休むことができた。
9/13 快適なゲストハウスの部屋で目を覚まして、外に出ると、ゲストハウスの庭でレナが朝食を用意してくれていた。レナが作ってくれる食事はこれが最後だったのだけど、そんなことは知らずに...。
朝食の後、アレクセイが役所で許可をもらうと言って出て行き、トゥルンも4WD車の修理に行くと言って、運転手と出ていった。
いつまで待てばいいのかわからず、何もできなくて、暇を持て余したけど、12:30ごろにようやくアレクセイたちが戻ってきた。
アレクセイは「責任者が来るのを待っていて、遅くなっちゃったよ」と言っていた。
待ちくたびれたみんなで、ランチを食べて、水や食料を買い足してから、昨日のキャンプサイトを再度訪れた。今度は、管理者の人はすぐに通してくれた。
15:00ごろにやっとテントを立てたら、アレクセイはブルガリア人を連れてくると言って、またいなくなった。トゥルンから、レナがいなくなったことを聞いたので、みんなでテントの中を整理して、夕食を作り始めた。
カーチャがテキパキと食事の用意を進めて、みんなでテーブルを作ったり、食材置き場を整理したりした。
12:00にはキャンプに戻って撤収し、13:00にはナリンの町に向けて出発していた。
次のキャンプサイトは、ナリンの町から車で20分くらいの場所なので、いったん次のキャンプサイトへ向かう。
ところが、16:00にキャンプサイトへ到着したが、その場所の管理者の人が、中に入らせてくれない。そこは国立公園のような場所らしく、立ち入りの許可はアレクセイが取ってあるのだが、管理者の人が特別な許可証がないとダメと言って、通してくれないのだ。
アレクセイは困った様子で、いったんナリンの町へ行って、役所の責任者に相談すると言う。もう夕方なので、今夜はナリンに宿泊することになった。
予定外のことだけど、みんな5日ぶりにシャワーとWifiにありつけると分かって、はしゃぎ始めた。突然だったので、ゲストハウスが空いていなくて、チェックインまでに2時間かかった。しかし、部屋が決まるとすぐ、私たちはシャワーを浴びたり、ベッドで休んだり、思い思いにくつろぎ始めた。
ゲストハウスで、ひさびさのWiFiにありついた |
一方、アレクセイたちは何だかモメ始めて、駐車場で言い合いをしている。後でトゥルンに聞くと、色々と事件が起きていたようだ。
一番大きな事件は、レナが翌日から家に帰ってしまったこと。どうやら体調が良くなかったらしい。
そんなことも知らず、私たちはくつろいで過ごしたあと、夜は隣のBBQレストランでビールとキルギス風BBQを楽しんだ後、快適なベッドで、凍えることもなく、ゆっくり休むことができた。
9/13 快適なゲストハウスの部屋で目を覚まして、外に出ると、ゲストハウスの庭でレナが朝食を用意してくれていた。レナが作ってくれる食事はこれが最後だったのだけど、そんなことは知らずに...。
朝食の後、アレクセイが役所で許可をもらうと言って出て行き、トゥルンも4WD車の修理に行くと言って、運転手と出ていった。
いつまで待てばいいのかわからず、何もできなくて、暇を持て余したけど、12:30ごろにようやくアレクセイたちが戻ってきた。
アレクセイは「責任者が来るのを待っていて、遅くなっちゃったよ」と言っていた。
待ちくたびれたみんなで、ランチを食べて、水や食料を買い足してから、昨日のキャンプサイトを再度訪れた。今度は、管理者の人はすぐに通してくれた。
15:00ごろにやっとテントを立てたら、アレクセイはブルガリア人を連れてくると言って、またいなくなった。トゥルンから、レナがいなくなったことを聞いたので、みんなでテントの中を整理して、夕食を作り始めた。
ナリンの町の近くのキャンプサイト。奥に見える山に洞窟を探しに行く予定。 |
カーチャがテキパキと食事の用意を進めて、みんなでテーブルを作ったり、食材置き場を整理したりした。
トゥルンは、特製サラダを作ってくれた。暗くなったら、マーティンとギルバートが電球を探してセッティングしてくれた。
いつも全部用意してくれていたアレクセイに感謝!
19:30ごろ、ブルガリア人の女性が突然やってきた。
ヘレエナという名前の生物学者で、キルギスのこうもりの生態調査をしている。
ヘレエナは、ものすごくおしゃべりで陽気な人。去年、初めてキルギスに来て、キルギスの人や自然が大好きになり、アレクセイの活動にも共感して、今年も再訪したそうだ。
彼女は、キルギスが2回目だし、ロシア語がペラペラなので、アレクセイの父親の地質学者セルゲイと車をチャーターして直接キャンプサイトにやってきた。
19:30ごろ、ブルガリア人の女性が突然やってきた。
ヘレエナという名前の生物学者で、キルギスのこうもりの生態調査をしている。
ヘレエナは、ものすごくおしゃべりで陽気な人。去年、初めてキルギスに来て、キルギスの人や自然が大好きになり、アレクセイの活動にも共感して、今年も再訪したそうだ。
彼女は、キルギスが2回目だし、ロシア語がペラペラなので、アレクセイの父親の地質学者セルゲイと車をチャーターして直接キャンプサイトにやってきた。
「アレクセイはどうしたの?」と聞くと、
「知らなーい。この場所探すの大変だったわよ!」とヘレエナ。
アレクセイは何をしていたのか、後からフラリと帰ってきた。
この日、夕方から雨が降り始め、夜中まで降り続けていた。
午前中はナリンでブラブラして、午後はキャンプサイトのセッティングと夕食の準備で、この日は一日すっかり無駄に過ごしてしまった。何もかも予定どおりに進まないし、外は雨だし、ちょっとチームのムードがヤケっぱちみたいな感じになってきた。
やっと完成した夕食をみんなで食べていると、
トゥルンが「明日でドライバーのミーシャは最終日だよ。帰っちゃうんだ。ミーシャのお父さんが交代で来るよ」
と言うではないか。
レナだけでなく、ミーシャまで帰っちゃうの!?
しかも、代わりにお父さんが来るって、どういうこと!?
と、チームが騒然となったところで、
トゥルンがさらに「ミーシャのお父さんは、レナの代わりに食事を作ってくれるんだって。料理ができるのか知らないけどね」
と言うではないか。
キルギスって、なんてテキトーなの!と、みんなで大笑いだ。
そこへ、ミーシャのお父さんと面識のあるヘレエナが、
「大丈夫、彼の料理はプロ級よ」と言ったので、みんな安心した。
アレクセイは何をしていたのか、後からフラリと帰ってきた。
この日、夕方から雨が降り始め、夜中まで降り続けていた。
午前中はナリンでブラブラして、午後はキャンプサイトのセッティングと夕食の準備で、この日は一日すっかり無駄に過ごしてしまった。何もかも予定どおりに進まないし、外は雨だし、ちょっとチームのムードがヤケっぱちみたいな感じになってきた。
やっと完成した夕食をみんなで食べていると、
トゥルンが「明日でドライバーのミーシャは最終日だよ。帰っちゃうんだ。ミーシャのお父さんが交代で来るよ」
と言うではないか。
レナだけでなく、ミーシャまで帰っちゃうの!?
しかも、代わりにお父さんが来るって、どういうこと!?
と、チームが騒然となったところで、
トゥルンがさらに「ミーシャのお父さんは、レナの代わりに食事を作ってくれるんだって。料理ができるのか知らないけどね」
と言うではないか。
キルギスって、なんてテキトーなの!と、みんなで大笑いだ。
そこへ、ミーシャのお父さんと面識のあるヘレエナが、
「大丈夫、彼の料理はプロ級よ」と言ったので、みんな安心した。
いつもはミーシャのお父さんがドライバーなのだけど、今回はミーシャがどうしても参加したいと言って、二人が交代で来ることになっていたらしい。
ここの標高は2100m程度なので、格段に温かい。顔のむくみもすぐに解消された。
洞窟の見つからない日々のせいか、雨のせいか、標高が下がって楽になったせいか、みんなこの夜はちょっとウォッカを飲み過ぎました。