キルギス洞窟(岩陰)探検遠征 6
近野由利子
9/10 朝から下痢だ。
なんでだろう、変なものは食べていないのに。
とりあえず、下痢のときは薬は飲まずに出してしまったほうがいいのだけど、この日は移動日なので、車の中で緊急事態にならないように整腸剤を飲んでおいた。
8:30から朝食で、9:45には撤収も完了し、次のキャンプサイトへ向けて出発。
30分ほど走ると、道から一軒のユルタが見える場所で車が停まった。アレクセイたちの車がまた遅れているようなので、そのユルタで待たせてもらうことになった。
ユルタには、おばちゃんと2人の小さな子供がいて、トゥルンは友達なのかと思うほどズカズカとユルタに入っていって、おばちゃんと世間話をしていた。おばちゃんは、ニコニコしながら手作りパンと手作りバターと手作りクルシュ(馬乳酒)をドカドカとテーブルに出して「食べな、食べな」と半ば強要めいたおもてなしをしてくれた。
手作りバターは、塩が薄めだけど、さっぱりしてまろやかな口当たり。たぶん街で売っていたら高級品だ。クルシュも、ほどよい酸っぱさで、このおばちゃんのやつが一番美味しかった。だけど、みんなクルシュが苦手で、特にマーティンは「俺は一口も飲まないぞ!」と必死で抵抗している。
後から、アレクセイが追いついてきて、おばちゃんからバターとクルシュを大量に買っていたので、きっと地元でも人気なのだろう。
ユルタの中に初めて入ったけど、赤を基準にしたシンプルな模様のキルトで壁や床を覆っていて、異国情緒満点だった。ユルタの天井には、イゲタ模様のような木枠がはめ込んであって、その形はタンダック(tunduk)と呼ばれるキルギスのシンボルで、国旗のデザインにも使われている、とトゥルンが説明してくれた。
ユルタで大量のパンとバター、クルシュをふるまわれる |
天井のタンダックはキルギスのシンボル |
![]() |
キルギスの国旗 |
そこは、まさに写真で見ていたとおりのコキヤの渓谷で、青い川と白い岩山が大迫力だ。あいかわらず標高は3000mオーバーなので、少し斜面を登るだけでも息が切れる。大迫力だとは思うけど、体力的に厳しすぎて、感動する余裕がない。
こんなにいい写真を撮らなかったので、アレクセイの写真を借用 |
マーティンとカーチャ、セシリオとミゲルは、尾根から谷底の川まで降りて、川沿いの洞口を探している。
私と吉田さんと、ギルバート、アレクセイ、トゥルンは、尾根沿いを2手に分かれて歩き、洞口を探して歩いた。
このまま歩いて帰れる距離なので、19:00にキャンプサイトに各自で戻る予定だ。
上から見ていると、米粒みたいなマーティンたちが、川沿いを歩いている。そのうち、みんなズボンを脱いで、川を渡っていた。あとで聞いたら、水はめちゃめちゃ冷たかったらしい。恐ろしい。
私と吉田さんは、尾根を歩いて、岩壁を見て回った。私はかなり遠くの山に1つ気になる穴を見つけて、あとでアレクセイに聞いたら、「あれはもう調査済みの洞窟だよ。深さ60mだった。」と言っていた。それ以外は、全然良さそうな穴がない。
出国前にホームセンターで買った双眼鏡が大活躍した |
初日に湖で見つけた洞窟がなければ、もうとっくに諦めているところだが、こんなところでもちゃんと洞窟があるのを見てしまったので、チャンスはあるのかもしれないという思いが捨てられない。
他のメンバーも同じ考えなのか、みんなコツコツと洞口候補を見つけてはGPSにポイントを落としている。いや、私はみんなよりちょっとやる気が無かったかも。
ふと気がつくと、ラオスの洞窟のことを考えてしまう。
「ラオスならもう10個くらい洞窟見つかってるだろーなー」
19:00に間に合うように下見を切り上げて、吉田さんのルートファインディングで、草原を突っ切って近道して下山し始めると、15分くらい後にマーティンたちが谷から登り返してきて、私たちの後ろからついてきた。
ギルバートはアレクセイたちと先に下山していた。
キャンプに着くと、夕食まであと45分だった。
少し歩き足りない気がしたので、テントの近くに見えているミニサイズのエアーズロックを一人で見物しにいった。
キャンプサイトの横に流れる浅くて広い川の真ん中に、浸食されずに残された垂直な岩山がそびえていて、気になっていたのだ。
近くまで行くとちょうど夕日がさして、良い景色だった。
地元の人が信仰の対象にしているのではないかと思ったけど、それらしい痕跡は見られなかった。でも、岩山の上に登っている形跡はあった。登ってみたけど、何も無かった。
テントに戻ると、みんな夕食を食べ始めていた。翌日の予定はすぐに決まったので、早めに就寝した。
キャンプサイトは、標高3000mなので、昨夜よりも200mくらい標高が下がって、少し体が楽だ。と、言っても、夜は氷点下なので、レスキューシートは手放せなかった。
下痢がおさまらないのと、寒いので、夜は何度かトイレに起きるのだけど、テントの外に出るのがつらい。
気温の低い夜は、ダイヤモンドダストがキラキラと舞う中、トイレットペーパーを握りしめて、帰りに迷子にならないように振り返りつつ、ここぞという場所で決行する。
夜は誰も見ていないので、平原の真ん中で適当にやって、そのへんの土で隠しておくけど、周辺は馬や牛や人のうんこが散乱しているので、特に気にすることはない。
空気が乾燥しているので、一日ですべてがカラカラに乾いて、臭いもない。トイレットペーパーはゴミなので、持ち帰ってほしいけど、そのままにする人もいた。
その乾燥した気候のため、ゴミやトイレの処理が楽だった。
生ごみも、袋に入れて2~3日置いていても、臭いが出ないので、気にならない。日本だったら、ハエがたかって、悪臭が漂って、えらいことになるだろう。
遊牧民は、乾燥した馬や牛のふんを積み上げて、燃料として使っていたけど、全然汚い感じがしなかった。乾燥ってすごい。
草原を突っ切って下山。左端にキャンプサイトが見えている。 |
キャンプに着くと、夕食まであと45分だった。
少し歩き足りない気がしたので、テントの近くに見えているミニサイズのエアーズロックを一人で見物しにいった。
キャンプサイトの横に流れる浅くて広い川の真ん中に、浸食されずに残された垂直な岩山がそびえていて、気になっていたのだ。
近くまで行くとちょうど夕日がさして、良い景色だった。
地元の人が信仰の対象にしているのではないかと思ったけど、それらしい痕跡は見られなかった。でも、岩山の上に登っている形跡はあった。登ってみたけど、何も無かった。
夕日を受けて影に見える岩山。高さ5~6mくらい。 |
テントに戻ると、みんな夕食を食べ始めていた。翌日の予定はすぐに決まったので、早めに就寝した。
キャンプサイトは、標高3000mなので、昨夜よりも200mくらい標高が下がって、少し体が楽だ。と、言っても、夜は氷点下なので、レスキューシートは手放せなかった。
下痢がおさまらないのと、寒いので、夜は何度かトイレに起きるのだけど、テントの外に出るのがつらい。
気温の低い夜は、ダイヤモンドダストがキラキラと舞う中、トイレットペーパーを握りしめて、帰りに迷子にならないように振り返りつつ、ここぞという場所で決行する。
夜は誰も見ていないので、平原の真ん中で適当にやって、そのへんの土で隠しておくけど、周辺は馬や牛や人のうんこが散乱しているので、特に気にすることはない。
空気が乾燥しているので、一日ですべてがカラカラに乾いて、臭いもない。トイレットペーパーはゴミなので、持ち帰ってほしいけど、そのままにする人もいた。
その乾燥した気候のため、ゴミやトイレの処理が楽だった。
生ごみも、袋に入れて2~3日置いていても、臭いが出ないので、気にならない。日本だったら、ハエがたかって、悪臭が漂って、えらいことになるだろう。
遊牧民は、乾燥した馬や牛のふんを積み上げて、燃料として使っていたけど、全然汚い感じがしなかった。乾燥ってすごい。
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