2018年10月20日土曜日

キルギス洞窟(岩陰)探検遠征 4

キルギス洞窟(岩陰)探検遠征 4

近野由利子

9/8 今日はいよいよ洞窟さがし。
朝8:00に朝食後、準備をして、昨日と同じルートでキョルス湖へ。
洞窟のある対岸までは3kmくらいあるとのこと。車は、マーティンたちも使うので、いったんキャンプに戻り、18:00に迎えに来る予定だ。

私たちは、スペインチームと日本チームに分かれてボートに乗り込み、ときどき上陸して洞口らしきものを確認しながら進んだ。私のパックラフトは小さくて、浸水防止のデッキつきだったので、荷物を載せると私と吉田さんの2人が乗るのは大変だったので、岸辺があるところは私は歩いて行った。スペインチームの二人は、アレクセイの大型のボートで快適そうだ。
一人で満員状態のパックラフト

湖なので、流れがなく、風も吹いていないので、のんびりと漕ぎ進んだ。11:00すぎに出発して、3km地点まで到達したのは13:00、水がなくなる場所にたどり着いたときには14:00になっていた。湖の東側に、今までで一番広い谷があって、砂利や岩がたくさん流れてくる上のほうに、かなり大きな穴が見えた。
それまでに、いくつか洞口っぽいところを見たけど、どれも岩陰とかクラックで、がっかりし続けて、元からこのエリアに感じていた不信感と相まって、かなりやる気が落ちていたので、その穴を見ても私と吉田さんは「どーせ、すぐに終わってるでしょ」と言って、だらけていたのだが、セシリオとミゲルは不屈の探求心でガシガシと岩山を登って、穴に入って行った。吉田さんはすっかり拗ねて、下のほうで寝転がっていたけど、私はどうせやることもないので、セシリオとミゲルの後を追って、岩山に登って行った。
足場が良くないし、空気が薄いので、少し登るとすぐに息が切れて、穴にたどり着くまでに30分くらいかかってしまったが、たどり着くと、それは立派な洞窟だった。
セシリオはさっそく測量を始めている。
下にいる吉田さんに無線で「ちゃんとした洞窟だよー」と連絡して、中に見に行くと、ちゃんと洞窟サンゴができていた。気温が低くて、水流が凍り、氷瀑もできている。セシリオの測量によると、総延長255mの斜洞であることがわかった。
後から吉田さんも登ってきて、氷瀑で写真を撮っていた。
初のちゃんとした洞窟!
こんなところに洞窟ができるわけないと思っていたけど、ちゃんとできているのを見て、目からウロコが落ちた。この洞窟を見つけたおかげで、この後のモチベーションを保つことができた。
そして、さすがスペインチーム、ラテン系だから適当だろうと思っていたけど、真面目にコツコツ探す姿勢に感心した。遠征中は、この二人の変わらない情熱に驚きっぱなしだった。


ひとしきり洞窟を探検して、下山したのは16:00。アレクセイのお迎えの時間は18:00なので、もう引き返さなければ。

洞窟の対岸のほうに見える穴が気になったので、そこに寄り道してから再び漕ぎ出すと、なんと!北風がビュービュー吹き始めている!
私たちの進行方向は北なので、つまり向かい風だ。私たちは小さなパックラフトに2人乗りで、パドルが1つしかないので、吉田さんが一人で漕いでくれて、私は風の抵抗にならないようにできるだけ小さくなって必死だった。気温が下がってきて、水しぶきがかかるとめちゃめちゃ寒い。
行くときののんびりムードはどこへやら、辛すぎて笑えるほど。セシリオとミゲルもニヤニヤしながら、ひたすら漕いでいる。「スペインに負けるなー!ひー、寒いー!」とか言いながら、気が付くとスタート地点の岸辺が見えてきたけど、これがなかなかたどりつかない。

吉田さんのスーパーパワーでスペインチームをぶっちぎって、ちょうど約束の18:00にスタート地点に到着したときには、全身濡れて、ガタガタ震えていた。少し遅れてアレクセイの車が来たので、みんなそさくさとキャンプへ帰っていった。
キャンプでレナが温かい夕食を用意してくれていて、本当にありがたかった。

マーティンたちは、目的の穴へ近づく道が見つからなかったらしい。車を使えないので山を登るしかないが、山道がかなり長くて歩いて行くのは大変だけど、馬に乗ればいいとトゥルンの薦めで、次の日は馬に乗って山越えをすることになった。
キャンプサイトの隣で宿をやっている遊牧民にトゥルンが話をして、1日11ドルで馬を貸してくれることになった。

その日の夜は、前日よりも冷え込んだ。
昼間、服も靴も濡れたけど、これだと全部凍るだけで乾かないだろう。
気温を測ってみたら、深夜に-7℃まで下がっていて、レスキューシート1枚だけでは足りなくて、少し厚手の高級なレスキューシートも導入して、シート2枚重ねでしのいだ。


キョルス湖だが、Google Earthで見ると、長さ11kmくらいなのだけど、私たちが行ったときは水が干上がっていたので、半分以下のサイズになっていて、下の黄色い線くらいの大きさだった。



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